プーさん初の実写映画化!


『プーと大人になった僕』
不思議なしゃべるぬいぐるみたちと幼少時代を過ごしたクリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)。
大人になり、ロンドンで仕事に追われる毎日のロビンは、妻子と故郷で過ごすはずだった週末まで業務になってしまう。
そんな時、彼の幼少時代の親友である熊のぬいぐるみ「プー」が目の前に現れる。
プーは、かつての遊び場だった「100エーカーの森」から仲間が消えてしまったため、探すのを手伝って欲しいと言うのだ。
多忙なロビンはプーを邪険にするが、やはり放っておけず、一緒に汽車に乗り込んで‥‥。

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監督は「ワールド・ウォーZ」などのマーク・フォースター。
「くまのプーさん」が実写化されるのは初めてだそうです。

大人になるって、どういうことなんでしょうね。
体が大きくなって、いろんなことを覚えて
自分や家族のために働いて。
そんな当たり前のことではなくて。

一方、ずっと子供のプーたち。
毎日毎日「何もしないことをする」日々。
かつては一緒にそうしていたはずなのに
いつしか「何もしない」ことができなくなってしまったロビン。

「いつの間にか失ってしまった、少年の気持ちを取り戻せるか」
大枠のストーリーで言うと、決して目新しさはないのですが。

そこはやはり「絶対的かわいい存在」のプーさん。
色あせたぬいぐるみ感が、たまらなくかわいくて。
その彼が、ロビンをどう導くのか。

正直、序盤は辛かったんですよ。
忙しい最中に現れたプーに、冷たく当たるロビン。
そんなロビンを見ていて悲しかったのは
きっと自分の姿に重なる部分もあったせいで。

プーさんはかつての自分であり、自分の子供でもあるのです。
家族のために働いていたはずなのに
いつしか家族との時間を犠牲にして働くようになってしまったロビン。

大切なものは何なのか。
それは大人になることと引き換えに、失ってしまったものなのだろうか。
それに気付き、取り戻すことができるのだろうか。

「そんな簡単に行くかい」
と思うかもしれませんが
仕事に追われて一日が終わる毎日を過ごす大人たちの、清涼剤になる一本でした。


☆個人的見どころ
 ・色あせたぬいぐるみ感
 ・ロビンの雑な奇策
 ・赤い風船

(9月14日公開予定)