コメディ!
『スターリンの葬送狂想曲』
1953年のソビエト・モスクワ。独裁者スターリン(アドリアン・マクローリン)がこの国を支配して、もう20年になろうとしていた。
ある日、中央委員会第一書記のフルシチョフ(スティーブ・ブシェミ)、秘密警察の警備隊長ベリヤ、スターリンの側近マレンコフらが集う夕食会が。
朝まで続いた宴を終え、スターリンは部屋に戻り就寝。
翌日、昼過ぎになっても起きてこないスターリンを不審に思った警備責任者が扉を開けると、床に倒れている彼の姿があった‥‥。
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監督はアーマンド・イアヌッチ。
本国ロシアでは、上映禁止となったそうな。
そりゃそうでしょうね。笑
スターリン死後の権力争いを、おもしろおかしく、コミカルに描いてありますから。
言ってもほんの数十年前の話。
笑い話にされるには、まだ面白くない人もたくさんいるでしょう。
ブラックというよりは、小バカにした感じですしね。
原作はコミックスだそうな。なるほど。
独裁者というのは、ある意味でコミカルな一面を持ち合わせているもので。
もちろん、存命時にまわりにいた側近や、当時支配されていた国民からしたら、たまったもんじゃないですけど。
笑いは緊張の中にあるという言葉もありますから。
後年になって、滑稽なエピソードが溢れ出てくることは、珍しいことではなくて。
圧倒的な恐怖で支配していたスターリン。
政敵を徹底的に粛清し、まわりにいるのはイエスマンばかり。
そのイエスマンたちが、ある日突然「イエス!」という相手を失ってしまったら?
頭を失っても国は死なず止まらず。
その隙に次の頭になるべく、昨日まで宴席を共にして笑顔でうなずき合ってた相手に対し
牽制と謀略を繰り出してのマウンティング合戦になるのです。
いい大人が、手のひら返しで欲望むき出しにするんですから
そりゃ喜劇にもなりますよね。笑
きっと、会話劇の中に皮肉やジョークをたっぷり交えてあったのですが
分からないですけど、どうにも字幕にするのがしんどそうな部分がチラホラ。
そのせいか、少し伝わり辛く、テンポが悪く感じる部分も。
そのまま英語で観れれば、もっとこの映画の魅力が理解できたのかもですけどね。
こんな時、もれなく悔しい。
(いつも言ってるのに改善しない自分のせい)
それはさておき。
ブラックコメディが嫌いなわけではないんですけど
ちょっと悪趣味が過ぎるかなと思う部分が、僕には気になる映画でした。
☆個人的見どころ
・棺のまわりでおじさんたちのマウンティング合戦
・自らの死期を早めたスターリン
・やっぱり美人なオルガ・キュリレンコ