話題沸騰!


『カメラを止めるな!』
山の中にある廃墟で、自主映画制作の撮影クルーがゾンビ映画を撮影していた。
リアリティを求める監督(濱津隆之)は、主演女優の芝居に納得できず、もう42回も撮り直し中。
息抜きで休憩を入れると、外から不穏な物音が。
何と本物のゾンビが現れて、撮影クルーたちを次々と襲いだしたのだ。
逃げ惑うキャストたちを見て、これこそリアルだと監督は大興奮でカメラを回し始めるが‥‥。

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監督・脚本・編集は上田慎一郎さん。
出演者はみな、オーディションで選ばれた無名の役者さんたちだそうです。

2~3週間前からでしょうか。
僕が映画好きだと知ってる知人たちから
「あの映画観ましたか?」
と聞かれまくっていたのがこの映画。

しかも
「まだ観てない」
と答えると
「なんで?観ないと!」
と、全員が口を揃えて。

いや、観たかったんですけど、完売で門前払い食らったりしてたもんで。
まさか平日の朝イチの上映が完売なんて。
どんだけ!?

しかし、やっとのことでチケットが取れて、先日観賞。
そんな感じなんで、正直、僕の中でハードルがガンガンに上がってまして。
これじゃいかんと、自分を抑えながらの観賞だったのですが。

いやいや、余計なお世話でしたね。
そんなハードル、余っ裕~で越えられてしまいました。

この映画、めっちゃ面白い!


映画の性質上、余計なネタバレは一切したくないので、中身に触れないように誉めますけど。笑

緻密なものを作ろうとしたものの、時間や制作費の関係から妥協せざるをえなくなったりで、粗が見えてしまう邦画が少なくない中。
それを逆手にとったかのように
「雑に見えるもの」を、すごく丁寧に緻密に作ってあって。

予算が乏しく、安っぽく観える映画って、嫌う(と言うか舐めて観る)人が多いですけど
この映画に関しては、その安っぽさを魅力に転化してあるんですよね。
そこがまずアイデアとして素晴らしくて。

乏しい制作費と、無名なキャストさんたちでも
(失礼な言い方ですみません)
アイデアと熱意で、ここまで面白い映画ができるのだ。
そして面白い映画であれば、たくさんの人が映画館に足を運び、お金を払ってくれるのです。
それは決して簡単なことではないんですけどね。

この映画は、たくさんの埋もれているクリエイターたちに火をつけたことでしょう。
オリジナル脚本は難しいだとか、旬の俳優女優を使わないと集客が見込めないとか
なにかと敷居が高い噂が多い映画業界に、どえらい大きい一石を投じましたから。

一映画ファンとして、この映画をきっかけに、新たな才能がどんどん現れて
再び邦画業界が盛り上がればいいっすなあ。

と、そんな大きい期待さえ抱いてしまうほど、パワーが溢れ出ている映画でした。
上田慎一郎監督はじめ、キャストの皆さん、スタッフの皆さんに拍手!


☆個人的見どころ
 ・言えない!
 ・言わない!
 ・とにかく観て!