細田守監督最新作!


『未来のミライ』
中庭があり、変わった造りの家に住む4歳のくんちゃん(上白石萌歌)とその家族。
ある日お母さんが、小さな赤ちゃんを連れて病院から帰ってきた。
「未来」と名付けられたその女の子は、くんちゃんの妹。
しかし、両親はミライちゃん(黒木華)にかかりっきりになり、相手にされなくなったくんちゃんは戸惑う。
そんなくんちゃんの前に、「未来から来たミライ」と名乗る、セーラー服の女の子が現れて‥‥。

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「サマーウォーズ」「バケモノの子」など、ヒットを飛ばしまくる細田守監督最新作です。
上記の他にも、役所広司さん、福山雅治さん、星野源さん、麻生久美子さんなどなど、声優陣も豪華。

細田監督の最新作ということで、期待を大にして観に行ったのですが
いやちょっとこれ、僕は観てて辛すぎましたね。

くんちゃんちと我が家の家族構成がえらい似てまして。
うちには2歳の息子と
5ヶ月の娘。
そして、2人が生まれる前からいた、4歳メスのトイプードル。
年は違えど、いろいろ一緒。

妹(下の子)が生まれたら、もちろんそこに気が行っちゃうのは当然なんですけど
同じくらい僕が気を使っているのは、今まで「一番の扱い」を受けていた息子(つまりお兄ちゃん)に、寂しい想いをさせてはいけないということ。

息子が生れた時もそうでした。
そっちに気が行きすぎて
それまで「一番の扱い」を受けていた愛犬が、「あれ?みんなの態度が変わった‥‥」と思わないように、どれだけ心を砕いたか。

奥さんはどうしても、赤ちゃんにかかりっきりになりますからね。
父親がいるのなら、そこはうまく二人でバランスを取らないと。
それでも、至らない部分がどうしても出てきてしまったり。

でも、くんちゃんの両親は全く違いました。
くんちゃんが生まれたら、犬はそっちのけ。
未来ちゃんがうまれたら、くんちゃんはそっちのけ。

それはもう、あまりにもあまりにも。
突然、両親から突き放された4歳のくんちゃんは、暴れたり妹に当たったり、良くない手段で自分をアピールするのですが
両親は「わがまま」だの「赤ちゃん返り」だのと‥‥

え?
まだ甘えたい盛りの、4歳の子供ですよ?

なのに物語の展開は、まだ幼いくんちゃんに、自立を求めるかのように進むのです。
くんちゃんが高校生や、せめて中学生ならまだしも。

なぜだか異様に奥さんにへこへこする夫と
夫の過去の育児不参加に対し、ずっと嫌味を言っている奥さんとのやりとりも
なんだか仮面夫婦のように空々しく。

あと、くんちゃんの声が、どうしても4歳児に聞こえなくて。
こればっかりは、声優の技術ではなく、持ってる声質ですから。
キャストさんのせいではないんですけど。

未来のミライちゃんとのやり取りや、いつも庭に現れる謎の男など
ファンタジックな仕掛けとかわいい絵柄で、すごくポップで楽しめそうだったのですが

僕はもう、このくんちゃんの扱いの悪さに、ただただ胸を痛めることしかできませんでした。


☆個人的見どころ
 ・くんちゃんとミライちゃん
 ・黒い新幹線
 ・不思議な駅員さん