山﨑賢人さん主演!


『羊と鋼の森』
北海道に住む高校生の外村直樹(山﨑賢人)は、調律師の板鳥(三浦友和)が調律したピアノの音色に感動。
東京に出て調律を学んだ外村は、北海道に戻り板鳥の勤める楽器店に就職する。
先輩調律師に同行しての、研修が始まった外村。
訪問した先で、和音(上白石萌音)と由仁(上白石萌歌)という、姉妹なのに全く違うタイプのピアニストと出会い‥‥。

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監督は「orange -オレンジ-」などの橋本光二郎さん。
今引っ張りだこの鈴木亮平さんも出てますよ。

こういう、「決して陽の目が当たらないけれども、実はその道は深い仕事」の魅力を描いた映画、好きなんです。
例え世界で一番になったとしても、大々的にスポットが当たるわけではなく。
しかしその仕事は必要で、かつ責任も重くて。

またこれ調律師というのが、絶妙なところで。
誇りと自信を持って仕事をしているが
奏者より上に立つのは絶対に違う。
しかもその仕事の良し悪しは、限られた一部の人間にしか伝わらない。
過酷だ!

光石研さん演じるベテラン調律師・秋野とのやり取りが、すごく印象的でした。
それはきっと、どこの世界にも通じる問答で。

「できるだけ大きなコンサートのピアノを調律したい」
「いや目の前の一人が喜べばいいから、そこは目指さない」

どちらの考えが正しいとかないですよ。
どちらも正しいんですから。

大ホールに備え付けられているグランドピアノも
小さな家にあるアップライトピアノも
同じピアノなんです。
そこには、弾く人と聴く人(それが弾いてる本人だけだとしても)がいるのです。

そんな疑問を持ちつつ、壁に当たりながらも
調律師という仕事のさらなる魅力を知り、成長していく外村を
気付けば親のような気持ちで見守っておりました。

裏方の「苦悩」と「誇り」
両方がちゃんと描かれていたのも良かったですしね。

ピアノが何で音がなるかなんて、正直深く考えたことがなかったですし。
「調律師」という職業は聞いたことがあっても
チューナーか何か持って、ネジいじるくらいやと思ってました。

でも全然違いました。
自分の認識が恥ずかしくなるくらいに。

決して派手さはないですが
ゆっくり胸に染み込んでくるような、味のある映画でした。


☆個人的見どころ
 ・外村の苦悩と成長
 ・ゴミ屋敷のピアノ
 ・板鳥(三浦友和さん)のオーラ