かカンヌ国際映画祭・パルムドール!


『万引き家族』
治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は、スーパーでの万引きの帰り道、ベランダで震えるじゅり(佐々木みゆ)を見つけ、連れて帰る。
見知らぬ子供を家に連れ帰ったことで、戸惑う信代(安藤サクラ)と亜紀(松岡茉優)。
すぐ返そうとしたが、身体中に傷があるのを見つけ、家で世話をすることに。
そんな一家は、初枝(樹木希林)の年金を頼りに生活していた。
そんなある日、じゅりが行方不明の子としてテレビで報道されて‥‥。

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「誰も知らない」「三度目の殺人」などなど、数多くの話題作を世に送り出している是枝裕和監督です。

この映画。
すごく単純な質問を突き付けられました。
「幸せってなんだと思う?」と。

でも、答えは簡単に出ないんです。
質問は単純なのに、答えは簡単じゃない。
なんて意地悪な映画だ。笑
だからこそ、引きずり込まれるように見入ってしまいました。

それぞれめちゃくちゃで訳ありの人間たちでも、家族の輪が幸せならばいいのか
家族が崩壊状態でも、対外的に幸せ家族に見えてればいいのか。
年齢によっても性別によっても性格によっても
答えは全く違うと思うんです。

大人は割り切るんですよね。
人生こんなもんだと。
でも、逆に子供は気付くんです。
人生このままで良いのかと。

狭いボロい古い散らかった一軒家に、身を寄せあって暮らしているのですけど。
なんだろうか。
息苦しさがなくて。
不思議な居心地の良さが、そこに描かれておりました。
なんか、散らかってたけど居心地がよくて、溜まり場になってた友人の家を思い出しましたよ。笑

その家の生活感がめちゃくちゃリアルだったんですよね。
衣食住に加え
エロいシーンまでも妙にリアル。

さらには、各年代の実力派俳優さんたちを揃えていたのも、この映画の抜け目のないところ。
樹木希林さんなんてもう、仙人のようでしたよ。
女優仙人。

奇しくも、許しがたい、親による幼い子の凄絶な虐待死のニュースがあったところで。
家族の絆。血のつながり。
なおいっそう、この映画の提示してくる事を考えさせられました。


これは余談ですけど
この映画が万引きを推奨したり擁護するような捉え方をしているネットの意見を、チラッと見かけたんですが
全くそんな要素ないですから。笑
映画観ずに書いたんでしょうね。


☆個人的見どころ
 ・幸せについて
 ・リアルなエロシーン
 ・仙人・樹木希林さん