『ゲティ家の身代金』
1973年。世界的大富豪ジャン・ポール・ゲティ(クリストファー・ブラマー)の孫・ポール(チャーリー・ブラマー)が誘拐される。
しかし、金の亡者で有名なゲティは、莫大な身代金の支払いを拒否。
自分の息子と別れ、一族から離れてポールを育てていた母親のゲイル(ミシェル・ウィリアムズ)は、犯人とゲティの両方と交渉をすることに。
一方ゲティは、元CIAのチェイス(マーク・ウォールバーグ)を呼び寄せ、孫の奪還を指示。
犯人グループは、思うように進まない交渉に苛立ち、ついには強硬な手段をとることを決意し‥‥。
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監督は名匠リドリー・スコット。
実際にあった誘拐事件がモチーフになっております。
これまた数奇な事件ですね。
ケチな大富豪。
頼りない息子(父親)。
おバカな孫。
いろんな要素が絡み合って、世間を賑わす大事件に。
正直、前半は、事件の進展の停滞と同様に
ちょっと冗長な印象だったんですが
動きがあってからは一転、緊張感たっぷりのシーンの連続。
今の時代ならば、身代金目的の誘拐なんて、まず成功しないでしょうから。
情報網が整備されていないこの時代だからこそ、ここまでドラマチックになったんでしょうね。
しかし酷い話なんですけど
登場人物全員が、どうにも好きになれないっていう。笑
身代金を渋るゲティはもちろん
誘拐されたポールはかわいそうなんですが、ゲティが本気で助けに行かない理由が、途中で明らかになったり。
母親のゲイルは、心配する気持ちこそ本物ですけど、どうにも他力本願で。
一つだけ、ドケチなゲティに同情する部分があるとすれば
世間の論調が
「金持ってんだから払えよ」
という風になるところですかね。
絶対に悪いのは誘拐犯グループですから。
「お金があるんだから悪に折れろ」って言うのは、おかしな話ですよ。
「人の命がかかっているから」
という意見も分かるんですけど。
「じゃあみんなでお金出しあってよ」って言われても、「いや、私は関係ないし」って言うんでしょ。みんな。
それって何か、ねぇ。
犯人グループもポールもゲイルもチェイスも、みんなイライラしてるんですけど
そうやって、「とにかくさっさと金出せや」と言われてるゲティもイライラしてて。
結局、みんながイライラしてる映画でした。笑
いや~、お金があるって大変やな。
お金なくて良かったー!
(泣いてないです)
☆個人的見どころ
・ミノタウロスの彫像
・キレたチェイス
・出すのか?ノーマネーでフィニッシュか?