決断の時!


『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
第二次世界大戦が幕を開け、ナチスドイツの勢いはとどまることを知らず。
あのフランスの陥落も近いと言われていたある日。
ダンケルクでは、連合軍が全滅の危機にある中、イギリスにもドイツ軍が目前まで迫っていた。
そんな最中、首相に就任したのは、嫌われ者の政治家ウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)。
チャーチルは、なるべく不利にならないような条件での和平交渉を、大臣たちに勧められるが‥‥。

---------------

「アンナ・カレーニナ」「PAN」などの、ジョーライト監督です。

戦争を続けるも悪者
終わらせるも悪者。

そんな厳しい選択を迫られたチャーチル。
国民の命を、そしてヨーロッパの命運を賭けたギャンブルですから。
簡単に答えなんて出るはずないですよ。

和平ならば、実質ナチスの軍門にくだることになり
抗戦ならば、勝てば英雄でも、負ければ国の名さえ残らない可能性も。
指導者として、いったいどの選択が正しいのか。

一分一秒ごとに揺れ動くチャーチルの心情を、見事に描いている映画でした。

やはりゲイリー・オールドマンの名演ですよね。
そして、圧巻の演技でアカデミー賞・主演男優賞を獲った彼と共に
アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞に選ばれたのが、日本人の辻一弘さん。

話題にもなったので
「これ、特殊メイクなのか~へ~」
なんて思いながら見始めたのですが
びっくりしましたよ。

どこが特殊メイク!?
皮膚ですよ。本人の皮膚。肌。
ゲイリー・オールドマン自身の肌。
アップでどの角度から撮ろうが、一部の隙もなかったです。

なので、なんの違和感も持たず、映画の世界に没頭できましたよ。
役者とメイクさんの、素晴らしいコンビネーションでした。

ただ、映画としては、すごく見応えがあったんですけど。
歴史の一コマとして見たら、すごく複雑ですよね。
彼の決断により、戦死者が大幅に増加したであろうことは、否めないのですから。
もちろん、その後の状況から考えると、その選択は間違いなかった訳ですけど。
その時はまだそんなこと分からなかったでしょうから。

常人では経験しうることができない、極限の選択を迫られたチャーチル。
その究極の責任と緊張が、見事に描かれておりました。

ちなみに、映画「ダンケルク」
そして
「人生はシネマティック!」
この二本も併せて観ると、さらに楽しめるかもですよ。


☆個人的見どころ
 ・クライマックスの議会
 ・タイプ係の心情
 ・地下鉄