騙される!?


『去年の冬、きみと別れ』
フリーライターの耶雲(岩田剛典)は、猟奇殺人の容疑者でありながら不起訴で釈放された木原坂(斎藤工)に取材を申し込む。
その企画を売り込まれた雑誌編集者の小林(北村一輝)は、戸惑いながらもゴーサインを出した。
百合子(山本美月)という婚約者がいる耶雲は、功をあせり、木原坂への取材は加熱。
そんなある日、百合子の存在を知った木原坂が、彼女に急接近。
そしてついに、百合子と連絡がつかなくなり‥‥。

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中村文則さんの小説が原作だそうです。
監督は、「グラスホッパー」「脳男」などの瀧本智行さん。

最初はなんだか、当たり障りのないサスペンスミステリーのようで。
耶雲(あばく側)と木原坂(あばかれる側)という、いたってシンプルな関係の。

と思いつつも、序盤から何か「違和感」があって。
どこがどう、ってわけではないんですけど
細かくいろいら引っ掛かるような感覚が。

ひょっとして、ただの作りの荒さなのかな、なんて思っていたところ
その違和感が、きちっと後半で昇華されるという気持ち良さ。
なるほど、そうやったのか!と。

物語的には、いろいろ強引に感じる部分もあったんですが
それよりも、「すっかり騙された!」という感情が上に来ました。
なんだか切なくなる物語でもありましたけどね。

ヘタなことを書くと、ネタバレになっちゃうかもなので控えますが
あまり疑うことをせずに、フラットに流れに乗って観る方が、より楽しめると思います。

余談ですが、ぶっ飛んでるサイコな役の斎藤工さん、好きなんですよね。
まあ、「昼顔」の時もある意味ぶっ飛んでましたけど。笑

からくりが分かった上で、いろいろ確認しながらもう1回観たくなる映画ですな。


☆個人的見どころ
 ・第一章
 ・サイコな斎藤工さん
 ・去年の冬、きみと別れ