恋と友情とジャズ。


『坂道のアポロン』
高校一年生の薫(知念侑李)は、親戚の住む長崎県の佐世保に引っ越してきた。
まわりと馴染めずにいた薫に、気さくに話しかけてきたのは、地元のレコード店の娘・律子(小松菜奈)。
その律子の幼馴染みの千太郎(中川大志)は、素行が悪く、校内でも疎まれている存在。
しかし、その千太郎がドラムを叩いている姿を見て、薫はジャズの魅力に引き込まれる。
3人は友情を深めて行くが、ある事故があって以来、3人の関係に亀裂が入り‥‥。

---------------

小玉ユキさんのコミックが原作だそうです。
監督は、「青空エール」など、数々の恋愛映画を手掛けている三木孝浩さん。
ディーン・フジオカさん、真野恵里菜さんも出演してらっしゃいます。

律子に恋した薫。薫が想いを寄せる千太郎。
しかし千太郎に憧れの女性が現れて‥‥
という、王道の三角関係を表に置いておきながら。

軸となるのは、やんちゃな千太郎と、内気な薫の友情物語で。
見た目も性格も真逆の2人ながら
家に居場所がないという共通点があり
さらに、ジャズを通じて友情を深めつつ。

千太郎は、校内の鼻つまみもの的な扱いなんですが
ケンカっぱやいにしても、カラッと明るくて優しく、男らしくて
逆に人気者じゃないと、不自然じゃないかと思ったり。

一方の薫は、家庭の事情をもろに態度に出すタイプ。
そんな2人が、ジャズにより距離を縮めるのは、意外性もあって楽しかったんですが。

これはあれですね。
おおっぴらに、ではないですが、BLの香りを交えたお話しなんですね。
もちろん、肉体的にどうの、ということではないのですが。
友情とするには、一歩踏み込んだ表現がチラホラあって。

特に、薫と千太郎の仲がギスギスしている時。
千太郎がジャンル違いのバンドに誘われて
意外にもそっちに傾いた千太郎に、薫が「あれっ?」てなる、みたいな。
その辺のやりとりなんかもう、まるっきり恋の駆け引きのようでしたね。

きっと好きな人にはたまらないんでしょうけど
僕はちょっと、照れ臭さが勝っちゃいました。

あと、これは言っとかねばならないんですが
ディーン・フジオカさんが、すごくディーン・フジオカさんらしい役でした。笑
かっこええすな~。ディーンさん。


☆個人的見どころ
 ・熱い友情
 ・米兵の前で
 ・まさかの歌わず