出演は御本人たち!


『15時17分、パリ行き』
2015年8月21日。アムステルダム発パリ行きの高速鉄道タリスには、554人の乗客が。
しかしその列車内では、イスラム過激派の男が、たくさんの銃火器を携えてテロを目論んでいた。
偶然乗り合わせていたのは、アメリカ空軍兵スペンサー・ストーンと、2人の友人アレク・スカラトスとアンソニー・サドラー。
突然現れたテロリストに乗客たちが凍りつく中、3人だけは躊躇わずに立ち向かい‥‥。

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監督は名匠クリント・イーストウッド。
実際にあったテロ事件がモチーフなのですが、なんと主演の3人含め、その場に居合わせた当事者たちを役者として使うという、大胆起用も話題です。

奇跡ですよ。こりゃあ。
あの日あの時あの電車にこの3人が乗り合わせてなかったら
たくさんの犠牲が出て、さらに国際情勢にも影響を与えていたでしょう。

僕は無宗教ですし
神様に祈るのは、電車で猛烈な便意が襲ってきた時くらいなんですが。(本当にすみません)
でも、こういった奇跡って、そんな僕にも神の存在を思わせますよね。

例えば目の前に通り魔や強盗犯が現れた時
華麗に撃退し、押さえつけるという妄想は何十回何百回としたことありますけど
実際に遭遇したら、きっと一歩目を踏み出せないと思うんです。

じゃあこの映画の3人は、なぜ一歩目を踏み出せたのか。
見ず知らずの何百人の命を救うため、躊躇わずに。
それ理由を、じっくりと時間をかけて、イーストウッド監督が教えてくれました。

当事者とはいえ、お芝居的には素人ですから。
賛否両論あると思うのです。
実際、プライベートを描いているシーンなどは、ちょっと安めの再現Vのようなノリで。

ところが一転。
その事件のシーンになると、一気に迫力が増し。
実際のビデオを使った、ドキュメンタリーを見ているような臨場感で。
やってて思い出したんでしょうね。
その時の血のたぎりを。
観ててもゾクゾクしました。

「人のためになりたい」
そう思っていても、それを実行に移すことが、どれだけ困難か。
最悪の状況で、躊躇わずに一歩を踏み出せた3人に、心から拍手を送りたいです。


☆個人的見どころ
 ・神様の導き
 ・御本人たち熱演
 ・犯人役の目の飛びっぷり