マインドコントロール!?


『不能犯』
都内で起こっている連続怪死事件の現場で、いつも目撃されている黒いスーツの男(松坂桃李)。
SNSでは、「電話ボックスに名前を書いたメモを残すと殺してくれる」という、闇の殺し屋の噂が流れていた。
実際に、100%の確率で依頼は遂行されるが、被害者には毒物や暴行の痕跡など、いっさい残っておらず。
刑事の多田(沢尻エリカ)は、黒スーツの男・宇相吹の仕業と確信するが、証拠を得られず。
宇相吹は多田に、「自分を止めるには殺すしかない」と忠告するが‥‥。

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監督は、「貞子vs伽椰子」などの白石晃士さん。
原作は、グランドジャンプ連載のコミックです。

松坂桃李さんの、宇相吹へののめり込みっぷりたるや、身震いするほど。
「わろてんか」の優しい笑顔はどこに!

不能犯、すなわち犯罪を立証することができない犯罪。
マインドコントロールで標的をやっちゃう、ダークヒーローなのですが
人を呪わば穴二つ。
時には依頼者にも、手痛いで済まないしっぺ返しが‥‥。

このシステム、あの「笑うせぇるすまん」ですね。
人間の思い込みや嫉妬、優越感。
闇に潜っていくこの感じ、嫌いではないです。

なのですが、見せたいところが掴みにくくて。
2時間で完結の映画ではなくて
何話かあるうちの、途中の1話みたいな印象でした。

連続爆破事件が、物語の大きな部分を占めていたのですが
最初に観る相手にしては、あまりに特殊過ぎたのではないかと。
宇相吹の正体にも、もっと迫って欲しかったですし。

キャストにもちょっと違和感が。
沢尻エリカさんが、男まさりのガサツで腕利きの刑事役なんですけど
いや、どう見ても華奢な色白美人ですから。
好きな女優さんだけに、ミスマッチな感じがもどかしかったです。
全体的に美男美女が多いと、入り込みにくいんですよね。

原作を先に読んでおいて、いろいろ前情報を持っていたら、もっと入り込めたのかもですね。


☆個人的見どころ
 ・松坂桃李さんの入り込みっぷり
 ・職場での告白
 ・不能犯vs爆弾魔