映画賞席巻！
『スリー・ビルボード』
ミズーリ州の田舎町で起こった、若い女性の惨殺事件。
被害者の母親ミルドレッド（フランシス・マクドーマンド）は、捜査が停滞している警察に苛立ち、道路脇に３枚の大きな抗議看板を掲示。
批判された警察署長を慕う部下や町の人は、ミルドレッドをあらゆる手段で脅す。
しかし、彼女は一切折れず、町は不穏な空気に。
すると、事態は意外な方向に進みだし‥‥。
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監督は、「セブン・サイコパス」などのマーティン・マクドナー。
我が子が無惨な殺され方をした時
想像もできないです。
そんな想像したくないし、しようと思ってもできない。
我が娘を無惨に殺されてしまったミルドレッド。
泣こうが喚こうが、もう娘は戻らない。
願うことは、犯人の逮捕と、その犯人への然るべき罰のみ。
なのに、頼りである警察の捜査は滞り。
警官たちは署でダベり、気に入らない黒人たちを締め上げるばかり。
ミルドレッドも、娘との関係性に悩んでいた時期で。
でも、娘が死ぬなんて予想だにしない出来事。
あの時のあの態度やあの発言を悔いても
もう何をどうすることもできないのです。
そんな犯人への怒りと自分への後悔、警察への呆れを通り越したミルドレッドを
フランシス・マクドーマンドが、ヒリヒリするようなお芝居で演じておられまして。
シビれましたね。
腹のくくりっぷり、肝の座りっぷりに。
もう一人のキーマンは、差別主義者の警官ディクソン。
ことあるごとにミルドレッドにつっかかり、時には法を越えた妨害まで。
そんな２人の関係性も、あることがきっかけで変化が‥‥。
犯人捜しがもちろん軸なのですが
ミルドレッドｖｓ警察の対立構図もありながら
広告業者や元夫まで巻き込んで、
物語はどんどんと次の展開へ。
事態は混迷を極め、さあ、どうなるの？と。
驚いたことに、「え？」というところで終了。
え？
いや、ここからが見どころではないのかと
僕は思うんですけど‥‥。
結末を観てる側に委ねる映画は、元々あまり好きではないのですが、理解はできます。
でもこの映画は、そのもっともっと手前で終わっちゃいました。
この後、想像しろって言われてもなあ‥‥。
フランシス・マクドーマンドの鬼気迫るお芝居に揺さぶられまくったので
ちょっとこの終わり方は残念でした。
☆個人的見どころ
・激しくも静かな怒り
・まさかのラスト
・クビになる男