高橋一生×長澤まさみ!


『嘘を愛する女』
食品メーカーに勤める由加利(長澤まさみ)は、研究医の小出桔平(高橋一生)と同棲中。
ある日由加利は、結婚を見据えて母親と桔平を会わせようとしたところ、桔平は現れず。
その頃彼は、くも膜下出血で倒れ、昏睡状態で病院に運ばれていたのだ。
彼の持ち物を頼りに職場を訪れてみると、小出という職員はいないと言われ、さらに免許も偽造であることが判明。
由加利は探偵の海原(吉田鋼太郎)に依頼し、身元調査を頼むが、出てきたのは書きかけの小説だけだった‥‥。

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監督は、「single シングル」の中江和仁さん。
第1回「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM」で、グランプリに輝いた企画が映画化されたものなんですって。

長く付き合っている恋人が、同棲までしている相手の本名が全くの偽りだなんて、想像もしないですよね。
それこそ「結婚詐欺」なんて事件は、今もあるわけなのですが。
由加利からして桔平は、それを疑う要素が薄すぎて。

偽名であったこと、働いていなかったこと
何より、自分が何も知らなかったこと、何も教えられていなかったことに
驚き、怒り、あきれ、落ち込む由加利なのですが。

それらの感情よりも
「じゃあこの男は何者なのか」
「私への気持ちも偽りだったのか」
そこを確かめたいという、気持ちが勝ってしまう由加利。

正直、プライドの高い女性の意地ですよね。
仕事は順風満帆。
会社からも必要とされ、業界も注目の自分なのに
素性の分からぬ男に、翻弄されていたなんて。

そんな由加利を演じる長澤まさみさんが、めっちゃ良いんですよ。
言い方悪いですけど、「若くてかわいいヒロイン役」という立ち位置だった頃から
大人の色気と落ち着きと憂いが出てきていて
一皮も二皮も剥けたのではないかと
素人目ながら、そう感じました。

謎のメイド娘役の川栄李奈さんが、これまためっちゃ上手くて。
うざいんですよ。
「わざとうざく思われるよう振る舞っている女」役が、めちゃくちゃ上手くて。
ただ、物語の上で見たら、ただ序盤を混乱させるためだけに出てきた感じがもったいなかったですね。
願わくば、もっと芯に食い込んでいる役であって欲しかったです。

正直、予告編と全く違った印象の映画でした。
もっと人間の奥底に潜む、ドス黒い何かがあるような期待感があったんですが、そういう意味では期待はずれでしたが。

終わってみれば、哀しく切なく。
消したい程の過去。それが何だったのか。
気になる方は、ぜひ映画館で。


☆個人的見どころ
 ・桔平の秘密
 ・大人な長澤まさみさん
 ・うざメイドの川栄李奈さん