ドイツ映画!
『5パーセントの奇跡 ~嘘から始まる素敵な人生~』
先天性の病気により、常人の5%の視力しかない、弱視のサリー(コスティア・ウルマン)。
五ツ星ホテルで働きたいという夢を叶えるため、無謀にも目のことを隠して採用試験に挑む。
まわりの助けも借り、一つずつ課題をクリアしていくサリー。
さらには、素敵な女性と出会い、彼女との恋も順調に。
しかし、公私ともに忙しくなったサリーは、徐々に研修でミスを犯すようになり‥‥。
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監督は、「白バラの祈り」などの、マルク・ローテムント。
実話がモデルなんですって。
この映画、好きですね~。
ホテルは、直接的にしても間接的にしても、人との応対が求められる仕事で。
つまり、臨機応変さが必要な職場。
まわりがぼんやりとしか見えない状態で、かつそれを隠して働くなんて、はなから無理な話なのですが。
そこを、持ち前の集中力と記憶力でクリアしていくサリー。
そんな彼は、ちょっとしたスーパーマンのようでもあるのですが
もちろん一人の力ではクリアできず。
そんなさりーの、まわりにいる人の優しさが、すごく暖かくて。
何度も何度も涙ぐんでしまいました。
正直、僕なんかは他人に優しくする時、心のどこかで
「この優しさ、他の人も知ってくれ!」
みたいな下心が、全くないとも言えないのですが。
でも、この映画に出てくるまわりの人たちは、本当に優しさがさりげなくて。
サリーの、夢へ向かう力強さと、惜しみない努力に気づき
困ったときにササッと手を差しのべてくれて
何というか、人情味にあふれているのです。
しかし、その道のりは決して順調ではなく。
スーパーマンであるサリーの目の前に、気づけば大きな落とし穴が‥‥。
こう言っちゃアレですけど、そこがまた人間くさくて。
スーパーマンのまま、なんでもかんでも順風満帆ならば
いわばファンタジーのような、浮世離れした話にとらえてしまいそうですが。
サリーの弱さを見れて、逆に親近感を得ることができました。
サリー役のコスティア・ウルマンが素晴らしく。
微妙に視線が合わない感じもそうなんですけど
絶えず聴覚・嗅覚・触覚・味覚を研ぎ澄まして行動しているたたずまいが
まるで御本人が演じているかのようでしたよ。
友人役のヤコブ・マッチェンツと
恋人ラウラ役のアンナ・マリア・ミューエも、軽快なお芝居で楽しませてくれました。
正直、ラストは驚きましたけどね。
日本ならば、ちょっと考えられないかな。
団体より個人の考えや家族の意見に重きを置く、欧米っぽいっちゃあぽいんですけど。
それはそれとして、物語として本当にええ話でした。
夢は諦めるその瞬間まで、現実になりうる目標なのだ。
☆個人的見どころ
・人情!
・挫折しまくるサリー
・意外なラスト