中井貴一さん×佐々木蔵之介さん!


『嘘八百』
古物商の則夫(中井貴一)は、娘のいまり(森川葵)と2人、大阪・堺にある古民家に飛び込み営業をかける。
則夫は、めぼしい骨董品を見つけては贋物だと買いたたき、他で高値で売るという、詐欺まがいの商売をしていた。
偶然帰ってきた家の主人・佐輔(佐々木蔵之介)に頼み、蔵を見せてもらうことに。
するとそこには、あの千利休が切腹の間際に知人に贈ったという、幻の茶器が。
佐輔には適当なことを言い、国宝級の宝を格安で譲り受けるが、実はその茶器は贋作で、則夫はまんまと騙される‥‥。

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監督は「百円の恋」「イン・ザ・ヒーロー」などの武正晴さん。
脚本は足立紳さんということで、まさに「百円の恋」タッグ。

気軽に楽しく、安心して観れる軽快なコメディで。
いや、コメディというより、喜劇でしたね。
古きよき昭和の喜劇映画を観ているような。

振り回される中井さんのリアクションと、佐々木さんのとぼけた表情が、いちいち面白くて。
映画館でも、各所で笑いが起こっておりました。

ストーリーがまた、映画「大逆転」を思わせるような。
挫折とどん底を味わった2人が、一発大きな巻き返しをはかろうと奮闘。
腕利きの仲間を集め策を練るが、その仲間と言うのが、坂田利夫さんや木下ほうかさんという、これまた喜劇のプロ。
もちろん、すんなり行くわけもなく‥‥笑

有名鑑定士と老舗骨董屋の、近藤正臣さん・芦屋小雁さんのコンビが、これまた絶妙のうさんくささで。笑
敵役として最高でした。

よく分からないんですけど、骨董品の鑑定って「これ!」っていう答えはなく
焼き方・書き方の癖や、使われている墨汁や塗料、箱などの装飾品等から、総合的に鑑定するもんなんですかね?
そうとしたら、かなり恐ろしい世界なんですな。
だからこそ、この物語のように、つけ入る隙があるのかもですが。

ただ、なにぶんテーマが渋く
全体的に、年配をターゲットに作られてたんでしょうけれども
ラストあたりのくだりとかは、さすがにドタバタっぷりがあざと過ぎかなと。

いや、そこもあえてなのかもですね。
最後に急に画面が止まって、大音量のBGMと、大きく出てくる「完」の文字。
そんな演出はなかったですが(ないんかい)
最近では珍しい良質の喜劇を、楽しめる映画でございました。


☆個人的見どころ
 ・カワウソとキツネの化かし合い
 ・大逆転??
 ・謎の外国人の正体