丸山隆平さん主演!


『泥棒役者』
溶接工として働く大貫はじめ(丸山隆平)は、同棲している彼女の美沙(高畑充希)に、かつて泥棒だったことを隠していた。
ある日はじめは、かつての泥棒仲間だった則夫(宮川大輔)と再会。
出所したばかりの則夫は金がなく、はじめを脅してもう一度空き巣に入ることに。
偶然入った人気絵本作家(市村正親)の豪邸で、はじめは次々現れる人物に作家本人や編集者、豪邸の主人に間違われてしまう。
その場をしのぐために嘘を突き通すが、やがてそこにほころびが出て来てしまい‥‥。

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監督・脚本は、「信長協奏曲」や「おにいちゃんのハナビ」「ガチ☆ボーイ」など、数々の脚本を手掛けている西田征史さん。
ユースケ・サンタマリアさんや、片桐仁さんなども出演されております。

なんともほんわか暖かい気持ちになる映画でした。
絶妙に噛み合わない事が噛み合ったまま進む脚本。
気弱に流されていく役が似合いすぎる丸山隆平さん。
面白いっすな。

そして、こんな彼女が家にいたらそんなもん、人の何倍人生が得やねんくらいのかわいさの高畑充希さん。
かわいいっすな。

何より凄いと思ったのは、絵本作家役の市村正親さん。
大御所作家だからと、あまりに浮世離れした感じで異変に気付かないと、ちょっと現実味がないですし
だからって敏感過ぎだと、話が転がりませんし。笑
その絶妙に微妙な天然っぷり。
ベテランならではのお芝居の説得力。
凄いっすな。

いろんなところにネタを隠し伏線を張り
少しずつ明かしながらエンディングに突き進むパターンは、西田征史さんのお家芸ですね。
好きなんですよ、僕。
どこかに無理や矛盾を感じてしまうと、途端に観てる側の温度が下がってしまうタイプの映画ですから。
それがまあ、上手に。テンポも良く。

この前知識なしにサクッと観れて、ホクッとして帰れる感じ。
舞台での演劇としても楽しそう。

あえて言うならば、毒が無さすぎるところがちょっと。
みんな良い人がにじみ出ていたので(則夫以外)
「もしはじめの正体がバレても、まあ大丈夫なのでは」
と思えてしまったことが、若干だけ緊迫感の足りなさにつながったような。
あえて言うとですよ!

とは言え、本当に楽しかったです。
最近、オリジナル脚本の邦画がめっきり少ないので。
西田征史さん監督・脚本の次回作を、また楽しみにしております!


☆個人的見どころ
 ・絶妙に噛み合わない噛み合い
 ・それぞれの行く末
 ・高畑さん、かわい!