もう一つの「ダンケルク」。


『人生はシネマティック!』
第2次大戦中のロンドン。カトリン(ジェマ・アータートン)は、コピーライターの秘書として働いていた。
ある日、新聞広告のコピーが評価されて、カトリンはある映画の脚本陣に誘われ、加わることに。
劣勢だったイギリス軍が、国民の士気を高めるための映画を作ろうとしていたのだ。
映画のテーマは、ダンケルクの戦いで、ナチスドイツの猛攻からイギリス兵士を救った双子の姉妹の物語。
ところが、映画の撮影が始まるとトラブル続きで、そのたびに脚本が変更になり、現場は大混乱に‥‥。

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監督は「ワン・デイ」などのロネ・シェルフィグ。
イギリス映画です。

映画は2時間の間にドラマを見せてくれます。
ドラマとは人生。
そんな映画を作る人の人生もまた、ドラマなのです。

映画が規制に悩まされるのは、今も昔も同じ。
それが戦時中で、しかも軍部の息のかかった映画となれば、さらに厳しく。
そんなきつい状況の中、映画を成立させようと奔走するカトリン。

時代的に、まだまだ女性の社会進出が認められにくい世の中で。
なめられ、あしらわれ、雑用を押し付けられ。
しかし持ち前のバイタリティで危地を脱し
少しずつ認められていくカトリン。

カトリンが製作陣の中での地位が上がるほど
制作中の映画の中の女性も、みるみる力を発揮して。
その辺りのリンク具合がまた楽しく。

ベテラン俳優役のビル・ナイが、めちゃくちゃ良い味でした。
僕は分からないですけど、
「昔はこんな面倒くさくてかわいい俳優さん、たくさんいたんやろうな」と。

もがきながらも、着々と認められていくカトリン。
しかし、山だけの人生は、そうそうあるものではなく。
カトリンにもまた、大きな谷=試練が‥‥。

まさに「人生はシネマティック!」
良い邦題っすなあ。


☆個人的見どころ
 ・頑張るカトリン
 ・貧素な双子
 ・人生はシネマティック