韓国発 クライムアクション!


『MASTER マスター』
韓国最大級の投資会社のチン会長(イ・ビョンホン)は、投資者から多額の資金を集めることに成功。
知能犯罪捜査官のキム(カン・ドンウォン)は、そこに詐欺の臭いを感じ、徹底的に調べる。
身の危険を感じたチンは会社を潰し、大金を持って海外に逃亡。
キムはチンを追い詰めるべく捜査チームを結成し、チンの部下だったパク(キム・ウビン)を強引に引き入れる。
そんなある日、海外でチンが事故死したというニュースが流れるが、キムはそれがフェイクだと見抜き‥‥。

---------------

監督はチョ・ウィソク。
韓国映画です。

これ、めちゃくちゃ面白かったですよ。
ここ数年、日本に入ってくる韓国映画は、本当にクオリティが高いんですけど
今まで観た中でも、トップクラスに惹きつけられました。

巨額を動かした詐欺師と、追い詰める捜査官。
カーチェイスなど、アクションの激しさもさることながら
とにかく2人の頭脳戦に痺れました。

相手の動きの先を読み
敵の仲間を引き入れ
巧妙な罠を張り
逆に、その罠を見抜いて罠を仕掛け。
どこに敵がいるか分からない、気の抜けない2時間。

終盤に向かうにつれ、さらに目まぐるしくシーソーが動き
どちらが追い詰め、追い詰められているのか。

捜査官キムは、ただ確保するだけではダメなのです。
財産含め、チンの全てを抑えなければ。
それは、希代の詐欺師相手に容易なことではなく。
果たしてその壮大な計画は、用心深いチンに通用するのでしょうか?

悪役のイ・ビョンホンの、なんとまあ憎々しく、ふてぶてしく、そしてカッコ良いこと。
そして、そんなイ・ビョンホンに真っ向からぶつかるカン・ドンウォンもまた、めちゃくちゃ男前で。

アメリカ映画とかだと、この規模のサスペンスアクション系の敵は、テロリストだとか反政府勢力になりがちで
(それが悪いわけではなく)
マルチだ投資だの巨額詐欺事件で、これだけスケールの大きな映画に仕上げたのが凄いです。

語弊を恐れずに言っちゃうと、社会の体制に不満が溜まりきってるんでしょうね。
財閥が占めてる社会で、政治家や有力者が金でねじ伏せられていて
一般庶民は、強い不公平感を抱かざるをえない状況で。

そんな中、キムのような正義感あふれる捜査官が現れて、巨悪をこらしめて欲しいと
多くの庶民が溜めている鬱憤が、映画で発散されているんじゃないかと。
僕みたいなもんは邪推しちゃったり。

実際それが、痛快なエンターテイメント映画として昇華されてるんですから。
映画好きな僕としては、羨ましい気持ちていっぱいです。

面白かった~。
分単位で状況が変わるクライマックスは、かなりの見どころですよ。
もう1回観たい!


☆個人的見どころ
 ・男前詐欺師vs男前捜査官
 ・どっちに付くのかパク君
 ・そして残高は?