刑務所こえぇ!


『ブラッド・スローン』
美人の妻と結婚し、かわいい息子を授かり、仕事も順調なジェイコブ(ニコライ・コスター=ワルドー)。
ある日、車の事故で同乗していた友人を死なせてしまい、投獄されてしまう。
しかもジェイコブの送られた刑務所は、獄中でも殺し合いが起こるような、恐ろしい世界だった。
生き残るため、有力なグループに入り、危ない仕事も請け負うようになったジェイコブ。
やがて仮釈放となるが、外の世界でも危ない闇の仕事が彼を待ち受けていた‥‥。

---------------

監督は「オーバー・ドライヴ」などのリック・ローマン・ウォー。
アメリカの刑務所の実情をリアルに描くため、実際に監督が潜入取材までしたそうな。
しかも、エキストラに本物のギャングや前科者を入れ、リアリティを出したとか。
凝ってる!

主演のニコライ・コスター=ワルドー。
この人が鬼気迫る演技で。
ちょっとたるみ気味の中年体型を見せておいてからの
全身タトゥーのゴリゴリ筋肉ボディに大変身。
表情までも本物のギャングのような凄みを帯びて。
迫力ありましたよ。

刑務所での成り上がりっぷりもさることながら
罪を重ねるたび、後へは引けない覚悟が顔にまとわりつく感じが、めちゃくちゃリアルでした。

潜入取材をしたということは、実際にいるんですね。
塀の中から、外のギャングを操るような裏ボスが。
そして外のギャングは、塀の中にいるはずのボスを心から恐れていて。
こういっちゃなんですけど、上手くできてるんですね。システムが。

シャバに出てからのジェイコブも、ひとときも緊張感を解くことがなく。
何かを狙っているかのように、慎重にミッションを遂行するのですが。
そこがまた、次にどういう展開になるのかと
ワクワク感を煽ってくれました。

最後まで見終わった時、初めてジェイコブの狙いが明らかになるのですけど
「ほほ~」と唸らされる気持ちと
「他に方法なかったんかいな」という
両方の気持ちが、僕の中に生まれました。

ネタバレにならないように、慎重に書かねばですが
「ハッピーエンドになれそうなのに、あえてそこを選ばなかった」
ように見えて、若干モヤモヤが残りました。
いや、トータルで見たら面白かったんですけどね。


☆個人的見どころ
 ・ニコライ・コスター=ワルドー熱演!
 ・先手を打ちまくるジェイコブ
 ・そしてジェイコブの選んだ生き方は‥‥