第3弾!


『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』
知能の上がった猿たちと人類の全面戦争が始まって2年。
猿たちのリーダーであるシーザー(アンディ・サーキス)は、仲間たちと森の奥深くに身を隠していた。
ある日、人類側の奇襲により、シーザーの妻と子が犠牲に。
シーザーは、部隊を率いる大佐(ウディ・ハレルソン)に復讐するため、群れを離れる決意をする‥‥。

---------------

SF映画の名作「猿の惑星」。
その前日譚を描いた「創世記(ジェネシス)」「新世紀(ライジング)」に続く第3弾です。
監督は、前作に引き続きマット・リーヴス。

このシリーズ好きなんですよね。
人間側と猿側の対立の構図が、本当によくできていて。
しかも、ゴールが分かっている物語ですから。
「猿の惑星」の前日譚ということは
地球の支配者は、いずれ猿にとってかわられるということが決まっているわけで。

その中で、どういう歴史の経過を見せてくれるのか。
実験により、高度な知能をつけた猿が現れ、人類の一種支配が揺るぎだした「創世記」。
勢力を強めた猿の中での、思想の違い・対立を描いた「新世紀」。
そして物語は最終局面へ。

今回の敵は、残虐すぎる方法で、猿たちを徹底的に排除する大佐。
共存を望むシーザーにとっては、避けて通れない存在なのですが。
物語が進むにつれ明らかになるのは、ただ残虐なわけではなく。
きちんとした自分の信念に基づいた行動なんですよね。
それが歪んだ考えだとしても。

人間との共存を願い、争いを好まないシーザー。
しかし家族を無惨に殺されてしまった時
怒りに震える彼がとった行動は‥‥。

現実社会にもいるじゃないですか。
自分の理解できない相手は、徹底的に排除しようとする人たち。
対話を求める相手とも噛み合わないような。
そういう部分も含めて、人類対猿の抗争なのに、現実の世界と重なって見えるのです。

今回の鍵を握るのは、シーザーが道中で出会った、一人のしゃべれない少女。
猿側に拾われた少女は、果たして何を聞き、見るのでしょうか。

映像は相変わらず素晴らしく。
それぞれの猿の表情で、感情が汲み取れるようなリアルさ。

そしてクライマックスでは予想外の展開が。
うならされましたよ。
このシリーズ、これで終わりなんですかね?
少女のこれからたどる人生で、もう1本作れそうですし、僕は観たいですね。


☆個人的見どころ
 ・シーザーの葛藤
 ・大佐の歪んだ信念
 ・勝者を選ぶ力