壁!


『ザ・ウォール』
2007年のイラク。仲間が襲撃された現場に着いたアイザック(アーロン・テイラー=ジョンソン)とマシューズ(ジョン・シナ)。
スナイパーの存在を疑い、数十時間様子を見てから遺体に近づいたところ、マシューズが狙撃されてしまう。
アイザックも膝を撃たれ、命からがら崩れかけの壁に身を隠す。
水がなく、血も止まらない絶体絶命の状態だったが、そこに仲間からの無線が。
しかしそれは、仲間を装った別人だということにアイザックは気付き‥‥。

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「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の、ダグ・リーマン監督です。
相手のスナイパーと仮定されている「ジューバ(ジュバ)」は、伝説的な実在(するかも)の人物だそうな。

とにかくすごい緊張感でしたよ。
自分の身を守ってくれるのは、砂漠にポツリとあった、崩れかけた壁一枚。
水もない、怪我もしている、無線も壊れている絶望的な状況。
相手は、音に聞こえた凄腕スナイパー。

ここからどう脱するのか?
そして、物語をどう展開するのか?笑
と、余計な心配までしながら観ていたのですが。

いや~引き込まれました。
正直、画変わりがしないので、途中ちょっと中だるみっぽくもなったのですが。
クライマックス~ラストまでの流れが、怒濤の展開で。

まさに命の火が消えようとしているときに
どこからか湧いてくる、生きようとする力。
極限状態での頭脳戦。
観てるこっちも、ついつい力が入ってしまいました。

リアリティを出すために、イラク戦争を舞台にしたのかもですけど
あまりその設定は生きてなかったような。
アメリカ人対イラク人というより
人対人、意地対意地という色合いだったので。

ラストを見届けたあと
「は~‥‥」
と、大きく一息ついてしまいましたよ。
なるほど、そういうラストで来ましたか。
映画でも、読後感と言うのだろうか。
良い読後感でした。


☆個人的見どころ
 ・極限状態でのせめぎ合い
 ・終盤の畳み掛け
 ・そう来たか!なラスト