セクシー斎藤!


『昼顔』
紗和(上戸彩)は、3年前に大学講師の北野(斎藤工)とのW不倫がばれ、今は夫とも離婚して海辺の町で一人暮らし。
その町に偶然、講演会で訪れた北野と、紗和が再会してしまう。
消そうとしていたお互いの想いが再燃する2人だったが、過去の過ちもあって踏み込めない。
しかし、その密会の場に北野の妻・乃里子(伊藤歩)が現れて‥‥。

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ドラマは未見なのですが、どうやらその続編にあたるのですね。
W不倫のことを「昼顔」と呼んだり、社会現象にもなったので、さすがの僕も知ってました。
監督は、テレビ版に引き続き、西谷弘さん。

上戸彩さんをスクリーンで観るのは、確か「テルマエロマエ2」以来なんですが
化粧っけが薄く、昼下がりの主婦のようなラフな服装の上戸さんが、妙にエロくて。
童顔ですけど、人妻さんですもんね~。

そしてセクシーの権化・斎藤工さん。
昆虫オタクで地味な大学講師役ですが、分厚く色気のある唇は隠しようがなく。

そんな2人の不倫物語。
エロいわけがない!

再会し、一瞬であの愛の炎を思い出し
しかし同時に、大事なものを失う怖さも思い出し。

これは運命とばかりに喜ぶ気持ちと
同じ轍を踏んではいけないと、抑える気持ちの天秤具合が、観ていてたまらんかったです。

因果なもので、そのバランスを崩してしまったのは、北野の妻。
不思議ですよね。
ダメだ無理だ止めろと言われれば、そっちに行こうとしてしまう人間心理。

ただ、これは映画どうこうじゃなく、僕の感覚なんですけど
今あるものを全て捨てても、不倫に走るならば、まず先に離婚せえと。
捨てる勇気がないなら、ちゃんと自力で踏みとどまれと。

愛は時に人を狂わせると言いますが
後半に行くにつれ、紗和がサイコパスのように見えてしまって。

「幸せになるつもりはない。私はただ‥‥」
というセリフがあるのですが、そこに紗和の矛盾したエゴが詰まっていて
ちょっと僕は引いてしまいました。
あ、もちろん不倫ですから、北野も悪いんですよ。

でも、そこはまあ、ギリ分かるとしても
紗和の不倫を知った、町のみんなの反応が、どうにも理解できなくて。
不倫してる人は、まわりが見えなくなるのかもですが
まだ善悪の判断がつかない小学生のような、陰湿な対応をする町民たちに、リアリティを削がれてしまいました。

不倫の映画だから受け付けないとか、そんな潔癖なことを言うつもりはないんですけど。
身近でもありそうなテーマなのに、僕にはあまり身近に感じられなかったのが、少し残念でした。

※ちなみに友人の役者・三浦誠己がチラッと出てましたよ。
ええな~。上戸彩さんと共演ええな~。


☆個人的見どころ
 ・セクシー対セクシー
 ・キモ店長とキモ魚屋
 ・まさかの結末