復活!サモ・ハン・キンポー!
『おじいちゃんはデブゴン』
中央警衛局で、長年要人警護の職で活躍していたディン(サモ・ハン)。
今は定年退職し、訳あって娘からも縁を切られ、今は故郷の田舎町で一人暮らし。
しかも認知症と診断され、物忘れもひどくなるが、遊びに来る隣人の少女チュンファ(ジャクリーン・チャン)が、彼の唯一の憩いだった。
ある日、マフィアの下っ端であるチュンファの父親がやらかし、中国マフィアとロシアンマフィア両方に追われる身に。
追跡の手はチュンファにも迫り、危険を察知したディンは、彼女を守り抜くことを決意するが‥‥。
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監督・主演は、サモ・ハン・キンポー。
サモ・ハンの監督は、約20年ぶりだそうな。
チュンファの父親役は、アンディ・ラウ。
あの盟友ユン・ピョウも、友情出演的に出てるという、豪華キャストです。
そりゃあ全盛期の俊敏な動きはできませんけど
無駄な動きのない、流れるような返し技の数々。
これがもう、まさに達人の域で。
折りますよ~、折る折る。
容赦なく折りまくり。
でも、長引くとちゃんと息切れしちゃうという。笑
大人数を相手にしても、動じないディン。
そこに、長年アクション映画界の第一線に立ち続けた、サモハンのキャリアの厚み・重みを感じました。
タイトルから、コミカル系のストーリーなのかと思いきや
真逆と言っていいほどのシリアスさで。
体も記憶も衰え、一人寂しく人生を終えようとしている時
残された命を燃やし尽くしても少女を守ろうとするディン。
意外や意外(と言ったら失礼ですが)
サモハン、シリアスなお芝居が、めちゃくちゃ上手い!
正直、哀しい部分が多目のストーリーなのですが
サモハンの醸し出す哀愁に、これでもかと胸を締め付けられましたよ。
またこれ、ディンが少女に優しくする理由が哀しいんですよね。
それゆえに、何がなんでも守ろうとして。
加えて、記憶がどんどん薄れていくディン。
涙なしには観れませんで。
正直、久しぶりにサモハンのアクションが見れりゃええわ、くらいに思ってたんですが
サモハンの円熟のアクションとお芝居と
ワクワク、ハラハラ、そしてホロホロしてしまうストーリーに、がっつり引き込まれてしまいました。
いや~、面白かった!
「おじいちゃんはデブゴン」という邦題ですが
往年の「デブゴン」シリーズとは無関係で。
原題とは違いますが、この邦題はいいですね。
目を引かれますし。
次は、今も現役のジャッキーとの、久しぶりの共演をお願いいたします!
☆個人的見どころ
・折りまくるディン
・半端ない哀愁
・どうなる結末