やめてくる!


『ちょっと今から仕事やめてくる』
連日の残業と上司からの叱責で、心身ともに疲れ果てた青山隆(工藤阿須加)。
ホームで意識を失い、通過する電車に倒れ込みそうになったところを、ヤマモト(福士蒼汰)という男に助けられる。
昔の同級生だという関西弁のヤマモトだが、隆はどうしても思い出せない。
しかし、陽気なヤマモトとつるむようになってから、隆は明るさを取り戻し、仕事も順調にまわりだす。
そんなある日、隆はヤマモトが3年前に自殺していたことを知り‥‥。

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北川恵海さんの小説が原作です。
監督は、「八日目の蝉」「孤高のメス」などの成島出さん。
小池栄子さん、黒木華さんなども出演してらっしゃいます。

「最近の若いやつはすぐに仕事を辞める」
とか言われる一方で
「仕事を辞める」という選択肢を選べなかったばかりに
追い込まれて自殺したり、過労死したりする若者がいるのも事実。

基本、倒れるまで働くなんて、責任感の強さに他ならないわけで。
それを逆手に取って、常軌を逸した労働を課すブラックな企業は許せないですね。

そんなブラック企業に勤める隆の、上司役が吉田鋼太郎さん。
これがもう、めちゃくちゃ上手くて。
高圧的で理不尽で傲慢。
こんな人、実際にいるんやろうなあ。
と、思わせる説得力こそが、映画の厚みですよね。凄い。

でも、人を追い込むのが人ならば、救うのもまた人で。
疲れきった隆を立ち直らせる、底抜けに明るいヤマモト。
そんな二人の関係に、ミステリアスな要素を加えて
最後まで目が離せなかったですし
真実を知ったとき、胸が熱く苦しくなりました。

しいて言うなら、ちょっと説明ゼリフが多かったかなと。
福士さんも工藤さんも、すごく良いお顔をするので。
(もちろんイケメンなのですが、それとはまた別の意味で)
言葉より顔で知りたかったです。

どんな仕事でも、真剣にやればしんどいもんです。
だからって、自分の好きなことを仕事にするには、勇気がいりますし、ひょっとしたらたいした稼ぎにならないかもですけど
自分を奴隷機械のように扱う会社に命を捧げるよりは、よっぽど良いですよ。


☆個人的見どころ
 ・ヤマモトの正体
 ・スキップ
 ・福士さんの萌える関西弁