アカデミー作品賞!


『ムーンライト』
マイアミの貧困地区。少年シャロン(アレックス・R・ヒバート)は、麻薬中毒の母親と2人暮らし。
学校ではチビと呼ばれていじめられ、母親から育児放棄されているシャロンの毎日は地獄だった。
そんな彼を気にかけてくれるのは、麻薬ディーラーのケビンと、その妻のシャロン。
そして、学校で唯一の友人であるケビンだけだった。
そんなシャロンは、いつしか同性であるケビンに恋心を抱くようになり‥‥。

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監督はバリー・ジェンキンズ。

「ラ・ラ・ランド」とアカデミー作品賞を競い、勝ったと話題になった映画なので、どんなもんやろかと期待していたら
ラストも含め、あの映画とは真逆と言っていいくらい、シリアスで重暗い作品でした。

子供の時に思い描いていた大人に、自分はなれているのか。
大人になるまでに、いろんな人と出会うわけで。
優しかった人、怖かった人、無関心だった人。
近くて遠かった人、遠くて近かった人。
いろんな人を見て、影響を受けながら。

恐らく人は無意識に、そのつどそのつどで、最良である道を選んでいるはずで。
その上での失敗はあるかもですが。
そうやって、大人への道を歩んで行くのです。

自分がどんな大人になったのか。
それが、子供の頃に思い描いていた自分とはかけ離れていても。

大事なのは、今の自分を認めてくれる人がいるかどうか。
そこなんですよね。

「え?そう来た?」
と思いながらも、ラストはグッと来てしまいました。

ここ数年、ゲイを描いた映画は、急速に増えた気がします。
この映画もその一つかもしれませんが。
もちろん、その部分に焦点を当てている映画が大部分で。

でもこの映画は
主人公のシャロンがゲイであるということは、彼を形成するトピックの一つであって
そこに一番焦点を当てているわけではないのが、僕の中で新鮮でした。


☆個人的見どころ
 ・大人のシャロン
 ・浜辺で‥‥
 ・ラスト