アレを編む。


『彼らが本気で編むときは、』
奔放な母に、何度目かの置き去りにされてしまった小学生のトモ(柿原りんか)。
いつものように叔父であるマキオ(桐谷健太)を頼ったトモは、彼の恋人であるリンコ(生田斗真)に会って驚く。
リンコは、服装や言葉遣いは女性だが、体は男性として生れた、トランスジェンダーだったのだ。
トモはリンコに戸惑うが、実の母より女らしく、優しく接してくれる彼女に、次第に心を開き出す‥‥。

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「めがね」「かもめ食堂」の荻上直子さん監督・脚本です。

いや~もう。
生田斗真さんのキレイなこと!

「オネェ」って言う呼び方が乱暴なのを承知で、失礼な言い方をしてしまいますが。
オネェの方々って、女性以上に女性らしい部分を感じるところが、僕にはありまして。
その女性らしさをふんだんに持っているのが、生田斗真さん演じるリンコで。

体格のがっちりした生田さんなのが、逆に良かったんですよね。
ガタイのゴツさって、隠しようがない部分じゃないですか。
それってきっと、トランスジェンダーの方とかにしてみれば、コンプレックスになりうる部分で。
体型の分かりにくい服でそれを隠すリンコに、逆に女らしさとセクシーさを感じてしまいました。

ただ、物語の主題が、ちょっと分かりにくかったかなと。
人間の多様性を知りつつ、心と体が大人になっていくトモの物語かと思いきや
母と子の絆の話が入ってきて。
そこが、僕の中でイコールになりにくくて。
観てない人には分かりにくい言い方になってしまってすみません。

あと、物語的にあまり重要ではないのですが
田中美佐子さん演じる、リンコの母は謎でしたね。
誰よりも息子を、いや娘を守る気持ちは分かるんですけど
だからって、小学生相手に無神経に絡む姿は、不愉快でしかなかったですし、あの演出は謎でしかなかったです。

煩悩のくだりとか、すごくユニークで面白かったんですけど
登場人物がほぼ全員、トランスジェンダーに対して、肯定派か否定派かに分かれていて。
小池栄子さん演じる、トモの同級生のお母さんも。
ほぼ差別に近い否定派ですけど、ああいう人いますしね。

きっと、どちらでもなく「戸惑い」を見せる人も多いと思うんです。

この映画で言うと、トモがそうなのかもですけど
本人には理解を見せつつ、陰で悪く言う人も世の中にはいるでしょうし。
もっとひどい扱いをされてしまうこともあるでしょうし。
そういった部分で、もう過ごしリアリティが僕は欲しかったかなと。僕はですよ。

それにしても生田さんはセクシーやったなあ‥‥。


☆個人的見どころ
 ・リンコさん!セクシー!
 ・アレを編む
 ・ラストのトモの選択