実話!


『チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇したホントの話』
県立福井中央高校に入学した友永ひかり(広瀬すず)は、チアダンス部に入部。
中学時代から想いを寄せている同級生で、サッカー部に入部した山下(真剣佑)の応援をしたかったのだ。
しかし待ち受けていたのは、全米制覇を本気で目指す教師・早乙女(天海祐希)の、厳しい指導と練習だった。
他の運動部の応援をしている暇なんて、あるはずもなく。
先輩や同級生たちが次々と辞めていく中、ひかりは同級生の彩乃(中条あやみ)たちと支え合って、大会に挑むが‥‥。

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監督は、「映画 鈴木先生」や「俺物語!!」の河合勇人さん。
チアダンスで全米制覇した福井商業高校の実話がベースとなっております。

いわゆる青春スポ根映画です。
戸惑い、努力、挫折、破壊、再生。
こういう映画は、時代によって形を変えつつも不変ですね。
ベタな流れやな~と思いつつも、好きなもんで観入ってしまいました。

また、広瀬すずさんが、スポ根物に合うんですよ。
汗と涙と笑顔が。
おじさんが言うと気持ち悪いのを承知で言わせてもらうと
追い詰められた顔や戸惑いの表情もすごくお上手で。
そりゃ引っ張りだこだこやわ。と、一人で勝手に納得してました。

師(先生)との関係、仲間との絆と対立。
家族のサポート。
ほんのり風味の恋。
余すところなく、バランス良く散りばめられてましたが。

ひとつ物足りなかったと言えば、ライバルの存在ですかね。
「スクールウォーズ」で言う、城南工大高や相模一高のような。
例えで惑わせてすみません。
まあ、それに変わる存在が、校内にいたわけですけど。

あと、入部初日で先輩全員辞めちゃうんですけど
そこの違和感もちゃんと処理して欲しかったです。
「去るもの追わず」は分かりますけど、2年3年になるまでいたわけですから、そんな急に。ねえ。

顧問役の天海祐希さんは安定でしたけどね。
クライマックスシーンでは、きっちりやられてしまいました。

しかし一番気になるのは、やはりこのサブタイトルですよ。
普通、大オチは隠してなんぼでしよ。
そりゃあ、福井商業の快挙は、大きく報じられたことですけど。
知らずに観る人もいるわけですし。
このタイトルによって、福井大会も全国大会も、結果発表のドキドキが一掃されてしまうわけですから。

なので、全米大会もゼロ興奮でした。
厳しい練習を積んだであろう、演者さんたちのダンスは素晴らしかったですけどね。
見所をそこに置いたって言われたら、そうかもですけど。
わざわざ見所になる部分を消す必要もないでしょうよ。

あと、こういう映画のエンドロールでは、実際の写真を使うのが定番だったりするのですが。
予想と違って、撮影中のオフショットがほとんどでした。
ここはさすがに、本人たちの姿が見たかったっすな。

当たり前ですけど、映画のタイトルって大事ですね。
僕なんかは、なるべく予備知識を入れずに観るタイプなので、余計にそう思いました。


☆個人的見どころ
 ・端っこでもセンター
 ・福井地獄
 ・早乙女先生の苦悩