X JAPAN!


『WE ARE X』
今や世界的バンドとなったX JAPAN。
しかしこれまでの道のりは、決して順風満帆ではなく。
メンバーの脱退、解散や、HIDEとTAIJIの死、ToshIの洗脳騒動など。
多くの悲劇が彼らに降りかかった。
2014年のマディソン・スクエア・ガーデン公演の舞台裏を追いながら、彼らの歴史や音楽性に迫るドキュメンタリー。

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X JAPANの軌跡に迫るドキュメンタリー映画です。
監督は、BACKSTREET BOYSなどのドキュメンタリーも手掛けたスティーヴン・キジャック。

まさかここまでさらけ出しているとは、思ってもみませんでした。

HIDEの死。TAIJIの脱退と死。
Toshiの洗脳騒動からの解散。
それを自らの口で、当時の状況と心境を語るYOSHIKI。
さらには、YOSHIKIの出自と親御さんのことなど、プライベートの話まで。

特に、幼稚園の頃からの幼馴染みである、YOSHIKIとToshI。
確執や絶縁状態を経て今、ナチュラルに笑いながらしゃべっているところを見て
「あれ?俺ってこんなにXのこと好きやったっけ?」
と思うほど、なぜか胸が熱くなり、涙がこぼれてしまいました。

思えば、2人が幼馴染みだという知識はあったものの
音楽バラエティ番組などで見る2人は、バンドのリーダーとボーカリストというスタンスを崩してなかった(ように見えた)ので。

「よしき君ととし君」
が、大人になってしゃべっているような。
そんな自然体の2人が観れただけでも、なぜだろうか
すごく安堵している自分がいました。

ToshIが洗脳されてしまうまで追い込んだのはYOSHIKIかもしれませんが
そこから救ったのもYOSHIKIなのだなと。
思えばあの当時も、YOSHIKIの口からToshIへの批判的な言葉はなかった(僕の知る限り)ですから。
こういう日を、ただ信じ、待ってたんでしょうね。

僕が高校の時、ハードロックやヘヴィメタルにどっぷりハマったのですが。
その時に、「ビジュアル系」というジャンルを引っ提げて、颯爽とメジャーシーンに現れたのがX JAPAN(当時は X)で。
でも当時はどちらかと言うと、イロモノ的な目で見てた人も多かったんですよね。

当時から、インパクト抜群のビジュアルに加え、圧倒的なパワーとテクニック。
それでいて耳馴染みのいいメロディを持って現れたX JAPAN(当時はX)は、かなり衝撃的だったのですが。
派手すぎる衣装に、YOSHIKIの破滅的なパフォーマンスが、どうしても「目立ちたがり」と捉えられる部分もあって。

ものすごくものすごく生意気なことを言わせていただくと
YOSHIKI、そしてX JAPANが、結成の時に思い描き、実行してきたパフォーマンス(楽曲も含め)と
数々の困難を経て、年齢を重ねた今の姿が、ここ数年でついに一致してきたのではないかと。

それが再結成してからここ数年の、快進撃につながっているのではないかと
僕みたいなもんが勝手に思いました。

X JAPANは、これからさらに大きなバンドになって行くでしょう。
その、さらに次へのステップに踏み出すための、おさらいの意味もあったであろうこの映画。
1時間半という短めの時間だったにもかかわらず、X JAPANの歴史とこれからが、濃密に詰まった素晴らしいドキュメンタリーでした。


☆個人的見どころ
 ・よしき君ととし君
 ・HIDEの死、TAIJIの死
 ・2人の口から語られる洗脳騒動