ウィル・スミス!


『素晴らしきかな、人生』
広告代理店の代表として成功し、順風満帆な人生を送ってきたハワード(ウィル・スミス)。
しかし、最愛の娘を亡くして以来、脱け殻のようになってしまい、仕事にも私生活にも実が入らず。
次第に会社の業績も悪化し、社員のクレア(ケイト・ウィンスレット)たちも気が気ではない。
ある日、クレアたちは小さな劇団の役者たちと知り合う。
社員たちはハワードの目を覚まさせるため、彼らにあることをお願いするが‥‥。

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「プラダを着た悪魔」などの、デヴィッド・フランケル監督です。

もし我が子が‥‥なんて、考えたくもないですよね。
でも、いろんな事情でそういう境遇になってしまう方もいるわけで。

順風満帆に生きて来たハワードは、深い深い哀しみの闇に落ちてしまい。
誰が何を言っても耳に入らず。
会社を成り上がらせた敏腕経営者がその状態なので、社員たちは気が気ではなく。
そして社員たちは、現状を打破すべく、ある仕掛けを。

‥‥なのですが、その手法がちょっと、独特すぎる気が。
このやり方にリアリティを感じられるかどうかで
作品に入り込めるか否かが別れるかなと。

僕は最初、ううん?と思ったものの
意外と観ているうちに引き込まれました。
劇団員がヘレン・ミレン、キーラ・ナイトレイと、僕好みのキャストだったのもあるかもですね。
役柄を踏まえた上での、ファンタジックなラストも良かったですし。

ただ、こういう系の映画でいつも思っちゃうんですけど
落ち込むのはもちろん当然にしても、あまりにも落ち方が深すぎるのではないかと。

例えばですけど、どんなに哀しみが深くても
他の家族や誰かの人生を背負っていて、すぐに再び動き出さざるをえない人、たくさんいると思うんです。
自分が生きるため。誰かを生かせるため。

ましてやハワードは社長。
従業員と、その家族の人生がそこにあるわけで。
自分の行動一つで、多くの人を不幸にしてしまうかもしれない立場ですから。
しっかりせい!と、心の端っこで思ってしまって。
ものすごく冷たい意見なんですけどね。

最後に驚かされる仕掛けもあって、素敵な物語ではあったのですが
僕はあと一歩入り込めませんでした。


あと、これは余談なんですが
この邦題、ちょっとダメなのでは‥‥。
ほぼ同名の名作映画「素晴らしき哉、人生!」。
最初、僕はリメイクなのかなと思ってましたけど、全然違うんですね。

ちなみにこの映画の原題は「COLLATERAL BEAUTY」。
昔のは「IT'S A WONDERFUL LIFE」。
なんでこの邦題を付けたんやろう。
知らないわけないと思いますけど。
う~ん‥‥。


☆個人的見どころ
 ・愛と死と時間
 ・奥さん
 ・やっぱりかわいいキーラ・ナイトレイ