『恋妻家宮本』
一人息子が結婚して独立し、久しぶりに2人の時間が訪れた宮本陽平(阿部寛)と美代子(天海祐希)の夫婦。
しかし、学生時代にできちゃった婚をした2人の間には常に子供がいて、夫婦だけの時間をうまく楽しめない。
そんなある日、陽平は美代子の隠し持っている離婚届を見つけてしまう。
動揺する陽平だが、美代子に真意を聞くことができず、悶々とする毎日。
陽平は、学校の教え子や料理教室の仲間たちと関わる中で、妻との関係を見つめ直すことに‥‥。
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「家政婦のミタ」など、数々のドラマを手掛けてきた脚本家・遊川和彦さんの、初監督作品だそうです。
普段から優柔不断な陽平。
妻に何かを言われても、つい生返事をしてしまって。
恥ずかしながら、自分もそういうところがありますね‥‥。
偶然、妻が自分の側を書き込んだ離婚届を見つけてしまい。
それによって、何をしても手につかなくなってしまったのに、妻本人には聞くことができず。
ただオロオロするばかりの陽平に、なんだかすごく親近感を持ってしまいました。
「あ~俺もこういうことしそう‥‥」と。
日本の夫婦関係って、ひょっとしたら世界のどこをみても独特なのかもしれないですね。
それこそ昔は、亭主関白な家庭が普通みたいな感じで。
でも今は時代が変わり、夫婦の関係も変化してますし。
なのに、妙な照れくささだけが残っちゃったような。
言葉にして愛を確かめ合うとか、ことあるごとにキスだのハグだのって、欧米のようにはあまりしないですもんね。
それが良い悪いの話しじゃないですよ。
言葉に出して確認すれば解決するような話なのに
陽平のように、ハッキリ言わずゴニョゴニョしちゃって、余計に夫婦関係がこじれるとか
なんだか、そういう夫婦少なからずいそうで。
天海祐希さんの、ナチュラルな感じがまたよくて。
阿部さんとの間に、本当に何年も連れ添ったような空気が流れていました。
そして主演の阿部寛さんも。
いつもながら、阿部さんのコメディは笑っちゃうのです。
あんなにホリの深いシリアスな顔なのに、小さなことでウジウジされると、そのギャップにやられてしまいますね。
気軽に笑えて、でも自分も気を付けねばと、襟を正させられる映画でした。
エンドロールも、観てて照れ臭かったけど、何か良いなと思っちゃいました。
最後まで楽しんでもらおうという、制作側のはからいを感じましたよ。
観に行かれるなら、そこもお楽しみに~。
☆個人的見どころ
・離婚届の真意
・菅野美穂さんの誘惑
・エンドロール