ザ・思春期!
 


『14の夜』

1987年。田舎町の中学校に通う、14才のタカシ(犬飼直紀)の頭の中は、スケベなことでいっぱい。

すっかり巨乳に成長した、隣りに住む幼馴染みのメグミ(浅川梨奈)が気になるが、ヤンキーになった彼女に話しかけられず、悶々とする毎日。

ある日、町に一軒しかないレンタルビデオ屋で、人気AV女優・よくしまる今日子のサイン会が開かれるという噂が。

しかも、深夜12時をまわると、おっぱいを触らせてくれるというのだ。

タカシと友人たちは、ただのデマだと思いながらも、居ても立ってもいられず‥‥。

 

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「百円の恋」で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した、足立紳さん監督です。

タカシの両親は光石研さんと濱田マリさん。姉が門脇麦さんという、何気に豪華キャスト。

 

87年に14才ということは

当時15才だった僕には、まさにドンピシャの映画。

 

当時の中高生の悶々っぷりたるや、今のそれとはケタ違いですから。笑

ネットなんてもちろんない時代ですし。

DVDの前の時代。ビデオデッキは高級品で、あっても一家に一台で、しかもリビングに。

なので、親の留守がちな友人の家に集まって、AV鑑賞会をしたり

公園の草むらに落ちてるエロ雑誌が気になったり。

いやもう、まさにタカシでしたよ。全員タカシ。

 

しかも、当時の中学生の力関係が絶妙に表現されていて。

仲間内ではキャッキャ言ってるけれども

ヤンキー連中の顔色はうかがいつつ、女子の目線は気にしつつ。

なんか妙に家族のことがうざったく思えたり。

そんな風にカッコつけてるところがカッコ悪いことに、気付いてなかったり。

 

町にAV女優がイベントで来るなんて聞いた日にゃあ。

「は?興味ねえわ」

みたいな顔して、頭の中では、なんとかそれに行けないかで一杯やったやろうなあ。

 

タカシ役は、オーディションで選ばれた新人の子らしいんですけど

ナチュラルでお上手でしたよ。

タカシの家族がまた演技派のみなさんなので、そこも安心して観れて。

門脇麦さんが、父親にムカついてる感じなんて、最高に絶妙でしたね。

 

ただ、当時の中高生あるあるはふんだんに入っていて、そこは楽しかったんですけど

もっとこう、抑えているものが吹き上がるようなところも観たかったです。

思春期のどうしようもない葛藤とか、まわりがびっくりするような爆発とかを。

 

少なからずそういうシーンもありましたけど

もっと欲しかったんです。もっと。

映画ですからね。

 

「あの頃も良かったなあ」

と言う感じより

「あの頃をもう一回やり直してみたいなあ」

と、そう思える映画であって欲しかったなと、個人的には思いました。

 

 

☆個人的見どころ

 ・80年代中学生あるある

 ・父vs娘

 ・よくしまる今日子って。笑