2016年、締めの一本。
 


『幸せなひとりぼっち』
最愛の妻に先立たれ、長年勤めた会社からもリストラを言い渡されたオーヴェ(ロルフ・ラッスゴード)。
地区内の規則管理に厳しく、愛想も悪い偏屈者のオーヴェは、ますます孤立し、孤独を深める。
身辺を整理し、今まさに首を吊ろうと決心したその時、隣に騒々しいパルヴァネ家が引っ越して来た。
ルールを守らず、図々しいお願いを次々としてくるパルヴァネ家に、オーヴェのイライラは募るばかり。
しかし、そんなパルヴェネたちの世話を焼いているうち、固く閉ざされたオーヴェの心が、少しずつ開きだし‥‥。

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スウェーデン映画です。
フレドリック・バックマンのベストセラー小説が原作なんですって。
監督はハンネス・ホルム。

じんわり胸に染みてくるような、良い映画でしたよ。
町で孤立してる偏屈じいさんが、隣人と関わることで‥‥と言うのは、ちょいちょい見るパターンなんですけど。
ハズレが少ないんですよね。僕のイメージですけど。
だからって、全てが似かよっているわけでもないですし。


オーヴェも、嫌われたくて嫌われているのではなく。

ただ、まわりがルールを守らないから、口うるさく言っているだけで。

根は優しいので、話せば分かる人間なんですが、聞く耳を持たず。

とにかく不器用なんです。厄介っすね~笑

 

でも、騒々しくおっちょこちょいの集まりのパルヴァネ家を相手にしているうち

昔のいろんな出来事が想い起されて。

いつしか確執があったご近所の人たちとも、少しずつ距離が近づき。

 

生まれ持って偏屈な人間なんて、いないですから。

父との思い出、妻との出会い、人生を変えた出来事、そして妻との別れ。

それらが積み重なって、オーヴェという偏屈じじいが出来上がったという、いきさつも分かりやすく。

 

正直、近所にいたら絶対に関わりたくないタイプなんですけど

少しずつ優しい気持ちを取り戻すオーヴェに、いつしか暖かいものを感じてしまってました。

 

こういう映画って、いかに自然に打ち解けてくれるかがキモなんですけど

オーヴェとパルヴァネ家の組み合わせは抜群でしたね。

オドオドしてる旦那。気の強めの嫁。無邪気な子供2人。

ところどころに笑いを散りばめながら、見事にオーヴェの心の氷を溶かしていってくれました。


素敵な映画でしたよ。
2016年を締める1本がこれで、本当に良かったです。

 

 

☆個人的見どころ

・自転車

・ゆりかご

・サーブvsアウディ