聖=さとし。


『聖の青春』
幼少期から難病を患う村山聖(松山ケンイチ)は、入院生活の中で出会った将棋に没頭。
やがてプロの世界に入った聖は、瞬く間に頭角を現し、一目置かれる存在に。
25才になる頃、名人になるべく、拠点を大阪から東京に移す。
聖は、同世代で名人になった羽生善治(東出昌大)に激しいライバル心を抱く。
しかしその頃、聖の体をガンが蝕んでいることが判明し‥‥。

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29才で急逝した天才棋士・村山聖さんの生涯をつづった、大崎善生さんのノンフィクション小説が原作なんですって。
監督は、「ひゃくはち」などの森義隆さん。
余談ですが「ひゃくはち」は名作ですよ。

松山ケンイチさんが20kgほども増量して、撮影に挑んだことも話題ですね。
それほどの気合いで演じられた聖。
いや~、奇人でしたね(誉めている)。

髪も爪も伸び放題。
部屋はゴミ屋敷。
倒れるまで酒を飲み、暴飲暴食不摂生を繰り返し。
人付き合いもひたすら苦手。

ただ将棋となると、驚くべき集中力を発揮し、輝くのです。
いや~もう、典型的な破滅型の天才ですね。
命と引き換えに栄光を手にするタイプの。
そんな村山聖さんが、松山ケンイチさんに乗り移ったかのような熱演で。

特に対局の時に放つ緊張感たるや、凄まじく。
東出さん演じる羽生さんとの対局なんて、本当の名人戦を観ているかのような。
水を打ったような静かな部屋に
火が出そうなほど対抗心を燃やす聖の気迫。
見応えありましたね。

願わくば、僕みたいに将棋に馴染みのない人間にでも、聖の荒々しい戦法が伝わると、さらにありがたかったかなと。
説明くさくなっちゃうから、省いたのかもですけど。
ちょっと置いてけぼり感があったので。

若くして病に倒れた村山さんですが
病でなければ将棋に出会ってなかったかも、とのセリフも。
命と引き換えの才能なんて、響きはカッコ良いけど、因果なものですね‥‥。


☆個人的見どころ
 ・天才っぷりと奇人っぷり
 ・vs羽生善治戦
 ・ぽっちゃりも意外といい松ケンさん