おすすめ映画!


『湯を沸かすほどの熱い愛』
一年前に主人の一浩(オダギリジョー)が出ていって以来、双葉(宮沢りえ)と安澄(杉咲花)は、母娘で2人暮らし。
家業の銭湯・幸の湯も、それ以来休業していた。
ある日パート先で倒れた双葉は、精密検査の結果、末期ガンであることが判明。
残り少ない命だと知った彼女は、やれるべきことをやっておこうと決意。
まず、出て行った一浩を連れ戻し、銭湯の営業を再開することから始める‥‥。

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監督・脚本は「チチを撮りに」などの中野量太さん。

噂には聴いてたんですが
これは、やられましたね~。
面白かった!

双葉という、どこにでもいそうで、どこにでもいない女性の物語で。
いわば難病物の映画ではあるんですけど
病気との闘いというよりは、双葉の生きざまそのものが、もはや闘いというか。
好戦的って意味じゃないですよ。
「ひとつずつきっちりケジメをつけて行く」という意味で。

とにかくカッコ良いんですよ。その生きざまが。
ガンが判明する前から、いろんなところに、さりげなく点を置いておいて。
その小さな点と点が、いつしか結ばれて行き。
気づけば大きくてきれいな円になっていたような。
なかなかできるこっちゃあないですよ。

そんな生きざまだけではなく
彼女の「死にざま」が、この映画を強く印象づけるシーンとなっておりまして。
「死にざま」と言うか「去りざま」と言うか。
こんな予想外で、美しくて、幸せで、印象的なラストは初体験です。
なるほど、あれにはこういう意味があったのか‥‥最高っすな。

宮沢りえさん、力強かったですよ。
強く、激しく、美しく。
そして、弱さは決して娘や他人には見せずに。
男前すぎる双葉に、感情をゆさぶられまくりました。

オダギリジョーさんが演じた、ダメ男やけど、人が良くて憎めない一浩も魅力的やったんですけど

娘の安澄役の杉咲花さんが、とにかく素晴らしかったですね。
気弱な女の子が、気丈な母に背中を押され、
少しずつ、ほんの少しずつ、でも確実に成長していく姿を好演しておられました。
何かしらの助演女優賞あげたい。取って欲しい。

いや~良い映画でした。
好きです。もう1回観たい。

余談ですけど
杉咲花さんが、僕の学生時代のヒーローである、レッド・ウォーリアーズのギタリスト・シャケさんの娘やと知って
夜中に声をあげて驚いてしまいました。
下半期一番の驚き!


☆個人的見どころ
 ・双葉の生きざま
 ・吐くほど戦った安澄
 ・湯を沸かすほどの熱い愛