「pk」って?
『pk ピーケイ』
留学先で失恋し、母国インドに戻ってテレビ局で働くジャグー(アヌシュカ・シャルマ)。
ある日、黄色いヘルメットをかぶり、見るからに挙動不審な男と出会う。
PKと呼ばれるその男(アーミル・カーン)は、神様を探しているという奇妙なチラシを配っていた。
彼に興味を持ったジャグーは、取材を続けるうち、彼からとんでもないことを告げられる。
なんとPKは、宇宙船に帰るためのリモコンを無くした宇宙人だと言うのだ‥‥。
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知る人ぞ知るインド映画の名作「きっと、うまくいく」。
僕も大好きな映画なのですが。
そのラージクマール・ヒラニ監督と、主演のアーミル・カーンが再びタッグを組んだ作品です。
「きっと、うまくいく」も、僕の中でのインド映画への偏見(「すぐ踊る映画でしょ?」みたいな)を壊してくれた名作だったのですが。
これはもう、それに匹敵するくらい楽しい映画でした。
神様っているんですか?
って聞き方をすると、いろんなところで揉め事になりそうなんですけど。
でも、物心ついた時に、誰しも少しは疑問に思い、考えたことがあると思うんです。
神様の存在を。
それが、年を取って物事を知っていくうちに、理解したり納得したり
人によっては折り合いをつけたり、よく分からんまま横に置いておいたり。
だって、「答え」を教えてくれる人はいても、「真実」を知っている人はいないですから。
そしていつしか大人になり、神様について深く議論することは、時として争いの元になってしまうことを知るわけで。
いわばそんな「タブー」ともされているようなことに、子供のような好奇心と素直さで、正面から切り込んでいったPK。
彼の行動は、僕の中でのモヤモヤも、一気に吹き飛ばしてくれるような痛快な一撃でした。
だからって、決して神様や宗教をバカにしているわけではなくて。
そこが素晴らしいんです。
ども神様も、誰の信じる心を貶めることなく
なぜ宗教がらみでいろんな問題が起こるのかを、PKの行動が分かりやすく僕に落とし込んでくれました。
そしてヒロインのジャグー。
この人がまた、笑顔が最高にかわいらしくて。
テレビマンとして面白がって、PKを追っているうち
なんと自分にも予想だにしなかった展開が‥‥。
すげえっす。
神様の解釈を、コミカルに楽しく分かりやすく見せてくれていたかと思いきや
ラストには胸を打つ素敵な出来事が。
宗教に切り込むという、ある意味ちょっとキワキワを攻めたテーマなんですけど
ラブロマンスをからめることで、それがなんとも幸せなエンターテイメント作品に仕上がっておりました。
2時間30分近くあって、なかなかに長い作品ですけど
終わってみればあっという間。
至福の時間でしたよ。
蝋人形のような顔と、鍛え上げられた肉体で、見事に宇宙人役を演じてみせたアーミル・カーン。
なんと今年51才なんですって。
作品同様、仕上がってる!
☆個人的見どころ
・PKの意味
・「神様は2人いる」
・ジャグーの恋