実在した天才小説家と敏腕編集者。
 

『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』
1920年代のニューヨークで、編集者として働くパーキンズ(コリン・ファース)。
彼は、スコット・フィッツジェラルドやアーネスト・ヘミングウェイの名著を世に送り出している、敏腕編集者だった。
ある日彼は、トマス・ウルフ(ジュード・ロウ)という無名の作家の原稿を目にし、いち早くその才能に気付く。
パーキンズは親身になってトマスにアドバイスを送り、ついに発売になった本がベストセラーに。
しかし、天才肌だがうぬぼれ屋のトマスは、パーキンズの忠告を聞かず、少しずつ身を滅ぼして行き‥‥。
 
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A・スコット・バーグの原作。実在の人物をモデルにした映画です。
監督はマイケル・グランデージ。
コリン・ファースとジュード・ロウって、初共演なんですって。なんだか意外。
 
天才を描いた映画は数多いですが
その中でも多いのは、「破滅型」の天才。
とにかくズバ抜けた才能を持ちながらも、破天荒な行動を繰り返し。
気づけばまわりを傷つけ、自分も傷つき。
 
こういうタイプの人は、まわりがバカに見えちゃうんでしょうね。
それは、自分の結果が出てようとも出てなかろうとも。
自分の作品が認められないと、「理解しないバカ」。
認められると、「俺みたいな作品が作れないバカ」と。
でも正気に戻ると、その言動を悔いたり。
トマスはその典型で。
 
そんなトマスが、恩人だと一目置いていたのがパーキンズ。
さすがの破滅型天才も、自分を世に送り出してくれた人には頭が上がらず‥‥
だったのですが。次第に頭が上がってくるんですよね。この天才は。

とにかく、そんなハチャメチャなトマスを演じるジュード・ロウと
見守り、支え続けるパーキンズを演じるコリン・ファース
この2人が作り出す信頼感と緊張感が素晴らしくて。

失礼極まりないセリフを連発するトマスにイライラ
ついに怒りを爆発させそうなパーキンズにヒヤヒヤ。
作中に終始漂い続けるその空気に、観てて疲れ果ててしまいましたよ。ふ~。

こういう映画って、観てて辛いんですよね。
いろんな人が傷つくシーンが出てくるから。
だからって、嫌いなわけではないですよ。
 
原題は「GENIUS」。
そのまんまズバリ「天才」。
破滅型の天才小説家を、鬼気迫る迫力で演じきったジュード・ロウ、圧巻でした。

 
☆個人的見どころ
 ・トマスの狂気
 ・どんだけ書くねん!
 ・哀しいラスト