怒り！
『怒り』
八王子で起きた夫婦惨殺事件の現場には、血で書かれた大きな「怒」の文字が。
犯人のモンタージュ写真を公開し、全国指名手配しているが、一年が経過しても捕まらず。
千葉の漁港で働きだした田代（松山ケンイチ）、沖縄の離島に居ついたバックパッカー田中（森山未來）、東京のゲイパーティに現れた直人《綾野剛）。
彼らは指名手配犯にどことなく似ており、しかも現れた時期はそれぞれ事件の直後だった。
彼らはそれぞれ、新しい生活に馴染みだしていたが、素性の知れない彼らにまわりの人間は不信感を抱き始め‥‥。
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「悪人」でタッグを組んだ原作の吉田修一さん、監督の李相日監督のコンビです。
出演者がこれまた豪華。
上記の他に、渡辺謙さん、妻夫木聡さん、宮崎あおいさん、広瀬すずさん。などなど。
いや～、やっちまいました。
見方を間違えてしまいました。
僕、東京・千葉・沖縄の物語が、それぞれいずれリンクすると、勝手に思い込んでいて。
ええ、そういうお話しじゃなかったんですよ。
なので、どうなるのかと思っていたら、終わってしまったという印象になっちゃって。
もったいねえ！
「桐島、部活やめるってよ」の時も、同じミスをしてしまったのになあ‥‥。
物語の軸が２つありまして。
まず、八王子での殺人事件の犯人捜し。
それは、３人の「似ている男」と犯人との共通点を、少しずつ明らかにしていく、スリリングな展開で。
もう一つは、「もし身近に現れた男が、殺人事件の犯人だったら」という、近しい人間の葛藤。
これがまあ、どちらも緊張感満載で。
ニュースで見る殺人犯なんて、ただの鬼畜じゃないですか。
どんな事情があったにせよ、人を殺めるなんて、普通の感覚ではない。と思ってるわけですけど。
もし、自分の身近にいる人が
人となりが分かっていて、とてもそうとは思えない人が
なんなら、好意を寄せている相手が、もしそうかもしれないなら。
自分はただ淡々と、警察に電話することができるだろうか。
信じたい気持ちと、拭えない疑いの中で抗う人たちと
人に言えない秘密を抱えて生きる人たち。
それぞれの生き様のぶつかり合う様が、スクリーンから溢れ出てくるような迫力で描かれておりました。
演技派の方々ばかりなので、お芝居的にも見応えがあったんですが
特に目を見張ったのは、新たな役どころに挑戦した宮崎あおいさんですね。
純真だけれども、ちょっと感覚の幼い女性を、すごくナチュラルに演じておられました。
それだけで十分面白かったのに、なんで僕は、余計な勘繰りを挟んでしまったのだろう。
ああ、できれば頭をまっさらにして、もう一回この映画を観たいなあ‥‥。
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☆個人的見どころ
・愛情と疑念の間での揺れ動きっぷり
・イケメン同士の激しい絡み
・そして犯人は‥‥