『エクス・マキナ』
世界最大の検索エンジンを持つブルーブック社の若手プログラマーであるケイレブ(ドーナル・グリーソン)。
社内での抽選に当たり、ほとんど人前に姿を現さない社長・ネイサン(オスカー・アイザック)の山荘に招かれる。
山奥に造られた最新鋭の建物の中に入ると、女性型アンドロイドのエヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)が。
実はネイサンはここ数年、人工知能の研究に没頭しているというのだ。
そこでケイレブは、人工知能の実用化テストに手を貸すよう、ネイサンに頼まれるが‥‥。
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「28日後...」の脚本などを手掛けたアレックス・ガーランドが監督です。
なんとも言えない不気味な空気が支配し、じそれがわじわと胸の奥まで染み込んでくるような映画でした。
めっちゃ面白かったな~。
人工知能って、クローンなんかと同じで、あるところまで行ったら一線を越えてしまう研究だと思うんですよね。
それに憑りつかれ、歯止めがきかなくなったネイサン。
そのネイサンに作られ、ほぼ人工知能の完成形に近づいてきたエヴァ。
体には機械が見え、顔以外はどう見てもロボット。
でも、その人間らしい言葉のやり取りに、ケイレブは戸惑うのです。
相手を「一人の女性」として見てしまう自分に。
エヴァとネイサン、どちらを信用すればいいのか迷う自分に。
徐々に狂気を見せるネイサンと
人間らしさを見せるエヴァに、日に日に混乱するケイレブ。
そして物語は、思いもしなかった方向に。
ほぼ無人の、窓もないような無機質な屋敷で
そこにいるのは少数の人間とロボットだけという、とても圧迫感のある状況は
観てるこちらも息苦しくなるほどでした。
そんな中で交わされる、人間対人間、人間対人工知能の言葉の重さ。深さ。
嘘をついているのは誰なのか。
本当のことを言っているのは誰なのか。
まるで、人心を掌握するサイコパスとの心理戦を見ているような。
絵面だけで言うとかなり地味なのに、ここまで引き込んでくれる映画って凄い。
「ターミネーター」なんかもそうですけど
自我を持った人工知能が、人間に反旗を翻して戦う、近未来を舞台にした映画はたくさんありますけど
ひょっとしたらこの映画は、それら全ての「第0章」に当てはまる作品かもですね。
☆個人的見どころ
・狂って行くケイレブ
・キョウコ
・エヴァの選択