トム・ハーディ×2!



『レジェンド 狂気の美学』

1960年代のロンドンに、街を仕切る双子のギャングがいた。

レジ-・クレイは頭脳派で、街の有力者ともつながり、戦略と恐怖で支配を強めて行く。

一方、ロン・クレイは、感情の起伏を隠さない破滅的な行動で、レジーをたびたびピンチに陥れてしまう。

最愛の恋人フランシスと結婚をして、ナイトクラブ経営に重点を置きだしたレジー。

しかし、レジー不在の間にロンが店をめちゃくちゃにしてしまい、ついにレジーの怒りが頂点に‥‥。


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監督は「42」などのブライアン・ヘルゲランド。

レジーとロンの双子は、「マッドマックス 怒りのデスロード」」のトム・ハーディが。


ギャング映画を観るといつも、男の子として血が湧きたつような感覚になるのです。

もちろん、実際に関わり合いになるのはまっぴらですけど。


トム・ハーディの二役っぷりが際立っておりました。

近所の人たちからの信頼が厚く、恋人にも紳士的で。

でも、スイッチが入った時のギャングっぷりが恐ろしいレジー。

普段から何を考えているか分からず、精神的にも不安定。

仲間への暴力も躊躇せず、恐れられ、疎まれもしているロン。

撮影の絶妙さもあり、別人が演じているのかと思うほど。


レジーはまさに、昔ながらのギャングやヤクザという感じ。

街を裏で仕切り、なんかあったら俺に言え!的な親分肌。

でも、やはりギャングはギャングで。

まっとうに働いて欲しいフランシスは、そこにストレスが溜まって行くのです。


さらには、双子の兄弟ロンの、破滅的な行動の数々。

自分から遠ざけたいが、血の繋がりがそれを許さないという、レジーの葛藤。

そんなレジーを見ていて、ロンが許せなくなって行くフランシス。

ロンはロンで、レジーのまわりをうろちょろするフランシスが気に入らない。

そんな、お互いの足を引っ張り合うような三角関係が、3人のイライラと共にヒシヒシと伝わって来ましたよ。


ロンはもう、見た目も行動も狂人なんですけど

たまに、はっとさせられるようなことを言うんですよね。

ひょっとして、レジーよりも深いところを見てるんじゃないかと思うような。


どうやって撮ったんだろう。

同じ日に2人を撮るなんて、できないんじゃないだろうか。気持ち的に。


そんなこんなでトム・ハーディの演じ分けに魅せられた映画でした。



☆個人的見どころ

 ・トム・ハーディvsトム・ハーディ

 ・ロンの取り巻きの小物っぷり

 ・「俺はお前のことを認めていた」