『64 ロクヨン -後編-』
たった1週間しかなかった昭和64年に起こった少女誘拐殺人事件。通称「ロクヨン」。
事件は未解決のまま十四年が経ち、時効まであと1年に迫っていた。
当時の担当刑事だった三上(佐藤浩市)は、今は群馬警察の広報官に。
被害女児の父や三上以外の捜査担当員たちも、それぞれの想いを抱えながら今の生活をしていた。
そんなある日、ロクヨンを模倣した少女誘拐事件が発生する‥‥。
---------------
※一番下にネタバレ部分がありますので、注意してお読みください。
横山秀夫さんの小説の実写化。後編ですよ。
監督は瀬々敬久さん。
佐藤浩市さん、永瀬正敏さん、三浦友和さん、瑛太さん、綾野剛さん、榮倉奈々さんなどなどの超豪華キャストももちろん引き続き出演。
引き込まれるストーリーと、キャストさんたちの重厚なお芝居で、淡泊になりがちな2部作の前編を見事に走り切ってくれた前作。
楽しみにしておりました。後編。
お芝居の重厚さは、さらに凄味を増していて。
日本を代表するような役者さんたちが、それこそ鬼気迫る表情で「ロクヨン」にぶつかっておられましたよ。
本当に迫力ありました。
何でしょうね。顔の陰影が凄いというのか。
キャリアを重ねた俳優さんにしか出せないような、表情の深みを随所に感じたのです。
「ロクヨン」の、父親の殺された女児だけの物語ではなく。
三上と娘や
それぞれの親子関係への想いが交錯しているところが、物語の厚みにもなってましたし。
ただ、何点か気になるところがありまして。
どうしてロクヨンの犯人は、あの少女を狙ったのか。
なぜあれだけ完璧な犯行を計画し、実行できたのか。
なのになぜ、手掛かりになるようなヒントを残してしまったのか。
とか。
謎解きの部分とかは面白かったんですけどね。
想いと執念の深さが現れていて。
だからこそ、上記の説明部分が、僕は欲しかったなと思いました。
役者さんたちの、素晴らしく重厚なお芝居が観れただけに、ちょっとそういうところが引っかかってしまいました。
☆個人的見どころ
・顔の陰影
・父と子
・まさかの犯人解明方法
※ここからネタバレ注意※
↓
※ここから!
結局、ロクヨンの犯人は途中で分かるんですけど、それは前編に出て来なかった人なんですよね。
前編を観ている時に
「この中の誰が犯人なのか?父親の自作自演か?警察ぐるみの何か陰謀か?それともまさか三上が‥‥」
とか、いろいろ勝手に推理をしながら、楽しんで観ていた部分もあるので。
なので、そこがちょっと、ずっちーなと思いました。
前後編ではなく、1本の作品だったら、感じなかった部分かもですが。
難しいもんですね~。