『ヒメアノ~ル』
ビル清掃会社でバイトしている岡田(濱田岳)は、平凡な毎日に焦りを感じていた。
勤務先の不愛想な先輩・安藤(ムロツヨシ)に相談したところ、逆に恋愛の相談を受ける。
その片思い相手・ユカ(佐津川愛美)の働くカフェに立ち寄ったところ、岡田は高校の同級生・森田(森田剛)と再会。
安藤に頼まれてユカとコンタクトを取った岡田は、彼女がその森田からストーキングの被害に遭っていてることを教えられる。
それを聞いた安藤は、森田にストーキング行為を辞めるよう忠告しろと、岡田に強く言うが‥‥。
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古谷実さん原作のマンガが原作です。
僕らの世代では「稲中卓球部」でお馴染み。
監督は「銀の匙」などの吉田恵輔さん。
いや~もう、怖いのなんの。
森田さんですよ。
森田役の森田剛さん。
人って、こうやって壊れていくのかと。
壊れた人間は、ここまでやるのかと。
心が壊れるには理由があるんですよね。誰しも。
ちょっとしたきっかけと、その時の状況やまわりの人間。
もちろん、自分自身の心の弱さも。
それらが悪い方向に作用すると、まれに怪物が生まれてしまうんです。
そんな風に、徐々に壊れて行く森田を、森田剛さんが鬼気迫る迫力で演じてらっしゃっていて。
本気の狂人でしたね。振り切ってました。
お会いしたことないですけど、もしそんな機会があったらびびっちゃうかも。
とまあ、終盤は震えあがるほど怖かったんですけど。
序盤は笑いどころも多くて。
ムロツヨシさんの怪演もさることながら、僕は濱田岳さんの顔芸(?)にやられちゃいました。
微妙な心情を表す顔が、ま~絶妙で。
劇場でも、何度も笑いが起こっておりました。
そして、ユカ役の佐津川愛美さんがまた良くて。
清純派っぽく見えてちょっとエロい、ギャップのあるヒロインが、生々しくてドキドキしてしまった。
ギャグっぽいやりとりを交えながらの、ちょっと笑える恋愛ストーリーを観ていたかと思えば
気づけば震えあがるようなサイコスリラーに。
そのナチュラルな変移に、すっかりやられてしまいました。
自分の住んでるほんの近くで、とんでもない事件が起こったりする世の中ですから。
日常のリアリティをちゃんと描いてあったので、森田のような人間が、本当に恐ろしく感じられて。
監督さんの手腕ですね。すごいっす。
マンガ原作の実写映画が次々に公開されて、そのつど賛否両論を巻き起こしておりますけど。
僕はこの映画、めちゃくちゃ良かったです。
☆個人的見どころ
・森田剛さんの振り切りっぷり
・顔芸開花の濱田岳さん
・エロかわいい佐津川愛美さん