デカプリオ!


『レヴェナント 蘇えりし者』
アメリカ西部の原野で狩猟をし、売りさばくための動物の皮を集めているヒュー・グラス(デカプリオ)たち。
それは、大自然の猛威や原住民の襲撃などもある、過酷な仕事だった。
ある日グラスは、狩猟中に熊に襲われ、瀕死の重傷を負う。
その場に残り、最後を看取るように命じられたフィッツジェラルドだったが、グラスの息子を殺し、極寒の山中に彼を置き去りに。
しかし、何とか生き延びたグラスは、フィッツジェラルドへの復讐のため、ボロボロの体で立ち上がる‥‥。

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「バードマン」のアレハンドロ・イニャリトゥ監督です。
音楽は坂本龍一さん。
デカプリオが、この作品で悲願のアカデミー主演男優賞受賞。祝!

とにかくもう、画の迫力がすんごいです。
ハンターvs原住民の戦闘シーンの臨場感は、その場に自分がいるかのような。

そして、冬の西部の、厳しい環境。
吹雪の時の凍てつく空気から、焚き火の炎の暖かさまで。
気温から、大自然の香り、血の匂いまで、こちらに伝わってくるかのようでしたよ。

あまりカメラマンさんとかに詳しくないんですが、有名なカメラマン、エマニエル・ルベツキさんが、自然光のみを使って撮ったんですって。
きっと誰にでも真似できることじゃないんですよね。
素晴らしいす。

そして、グラス役のデカプリオの熱演。
瀕死の重傷を負いながらも、地を這いずり、泥水をすすりながら生きようとするグラス。
息子の無念と、フィッツジェラルドへの怒りを身にまとい
体から湯気を出さんばかりに生命エネルギーをみなぎらせるグラスにつられて
こちらも全身に力が入っちゃいました。

アメリカがアメリカになる前の物語で。
法なんてあってないようなもの。
生きようとするエネルギーが弱い人間から、脱落していくのです。

騙すやつ、ズルいやつも、それはまた生きるエネルギーの裏返しで。
そう言った意味でも、フィッツジェラルド役のトム・ハーディは、文句なしの敵役でした。

映像・音楽・ストーリー、全て重厚な映画でした。
2時間半を超える映画でしたし、見終わったらグッタリでしたよ。
面白かったー。

☆個人的見どころ
 ・人の生命力
 ・大自然
 ・決着は神に