『蜜のあわれ』
古い民家で頭を悩ませながら執筆を続ける老作家(大杉漣)。
かたわらには、赤子(二階堂ふみ)という、真っ赤な服に身を包んだ女の子。
実は赤子の正体は、老作家が買ってきた金魚なのだ。
2人は、官能的な会話をしながら、ひっそりと暮らしていた。
しかしある日、謎めいたゆり子(真木よう子)という女が、2人の前に現れて‥‥。
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原作は、昭和の文豪・室生犀星が、理想の女性を描いた物語なんですって。
監督は石井岳龍さん。
とにかくもう、二階堂さんのキュートさが溢れてましたよ。
少女のようにかわいらしく
妖女のようにセクシーで。
古い小説のような言葉で、老作家とやり取りする赤子。
まあ、古い小説が原作なんですけど。
なぜだかあの異色マンガ「ねじ式」の世界を思い出しましたよ。
そして、コミカルで少し情けない老作家を、全力で演じる大杉漣さん。
そりゃあもう、全力で。
笑ってしまいました。笑ってよかったんかな?
作家と赤子の淫靡な世界に、序盤から引き込まれたんですけど
2時間はちょっと長く感じてしまいましたね。
時間を追うごとに、話がどこに向かっているのか、分からなくなってしまって。
赤子とゆり子の不思議な関係も含めて。
個人的には、短編で観たいなと思いました。
果たして、赤子は哀れな老作家を想って現れた天使なのでしょうか。
創作活動と人生に行き詰まった彼の妄想なんでしょうか。
こんなエロチックな妄想ができてしまうなら、そりゃ色々放っぽり出して、そっちに没頭してしまいますよね。笑
☆個人的見どころ
・赤子
・渋い金魚屋・永瀬正敏さん
・高良健吾さんの芥川龍之介っぽさ