ドキュメンタリーですよ。


『ヤクザと憲法』
「暴力団対策法」「暴力団排除条例」が施行されて以来、構成員数が減少している暴力団。
そんな中、彼らはどんな生活を送り、何を思っているのか。
「二代目東組二代目清勇会」にカメラが入り、暴力団の日常を追ったドキュメンタリー。

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東海テレビが制作し、2015年3月に放送されて反響を呼んだドキュメンタリー番組の劇場版ですって。

すごいですね。
ヤクザ映画といえば、「仁義なき戦い」やら「アウトレイジ」などなど。
斬った張った揉めた死んだなどと、激しいものばかりですが
組事務所に入り、日常を追ったドキュメンタリーなんて、僕は初めて観ましたよ。

当たり前ですけど、あの防犯カメラや鉄の扉で厳重にガードされた組事務所の中では、普通に暮らしてらっしゃって。
なんかこう、当たり前のやりとりの中にも新鮮さがあると言うか。
見たことない風景なんで。

暴対法などで暴力団が縮小され、組織がなくなるのは、僕は大歓迎ですけど。怖いから。
でも、国が黙認してきたから、今もなお組織が存在し、そこに人がいるんですよね。

「じゃあ解散ね」
と法で強制的にバラしたとしても、宙に浮く人や家族は、どうすればいいのか。
「好きでヤクザになったんだから、放っておけ」
なんて意見もあるでしょうけど。
行き場を失った人たちや、その奥さんや子供まで、のたれ死んでいいわけがなく。

「器を壊す」ことばかりを優先して、「中身の受け皿」が用意されてないんですね。
カタギになって全うに働こうとしてる人にすら、道がきちんと整備されてない状況なんだと。

ただ、一歩踏み入れた撮る側の企画力と行動力、そして取材を受け入れた組長さんの度量はすごいと思うんですが
やはり、さらにもう1歩踏み込んだところが観たいと、欲が出てしまいました。

そりゃあ、ヤクザの側に立ったドキュメンタリーなんで、社会的に不利になるような部分は放送できないでしょうけどね。
まあ、そのグレーな部分のせめぎ合いも、また面白かったんですけど。

う~ん、勉強になりました。


☆個人的見どころ
 ・暴力団の日常生活
 ・組長さんのオーラ
 ・夕刊のくだり