生きるって大変だ。


『恋人たち』
妻を通り魔に殺され、精神的に苦しみながらも、地道に働いて裁判費用を捻出しようともがくアツシ(篠原篤)。
不愛想な夫と嫌味な姑との暮らしの中で、パート先の出入り業者に惹かれる主婦・瞳子(成嶋瞳子)。
同性愛者の四ノ宮(池田良)は、完璧主義者のエリート弁護士。
想いを寄せていた親友から急に距離を取られ、現在の恋人にも別れを告げられてうろたえる。
3人は、日々を懸命に暮らすが、人生は全く思うように行かず‥‥。

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「ぐるりのこと。」の橋口亮輔監督です。
主演の3人の方は、オーディションで選ばれた新人さんなんですって。
でも、みんなめっちゃナチュラルなお芝居で。驚きました。
資料によると、選ばれた後に橋口監督が脚本を当て書きしたとか。

いや~もう、めちゃくちゃ重かったですよ。観てて憂鬱になるほどに。
リアルなんですよね。
日常暮らしてて、嫌な事って多かれ少なかれあるじゃないですか。
その中でも大きめの嫌な事を、詰め合わせにしたような映画で。

しかも前述したように、主演級の3人は新人さん。
知ってる役者さんじゃないせいもあってか、余計にリアリティが増すんですよね。

そこに、光石研さん、木野花さん、リリー・フランキーさんたち演技派の方が脇を固めていて。
さらに憂鬱度アップ。(映画的に、良い意味ですよ)
途中で出ようかと思う程で。

でも、最後まで観たら、そこにはちゃんと救いが。
時の流れか、心境の変化か、はたまた人間関係なのか。
ドン底まで落とされた3人にも、細い光が差し込むのです。

憂鬱だなんだと書きましたが、落とされた
穴が深かった分だけ、わずかな光でも、とても明るく暖かく感じました。
は~、最後まで観て良かった。


☆個人的見どころ
 ・ひたすら憂鬱な空気
 ・ちくびあそび
 ・良し!