「ロッキー」新章。


『クリード チャンプを継ぐ男』
身寄りがなく、施設で暮らしているが、ケンカばかりしている少年、ドニーことアドニス・ジャクソン。
ある日、彼の元に現れた婦人が、ドニーの両親があの伝説のボクサー、アポロ・クリードとその愛人であることを告げる。
アポロの正妻だった彼女に引き取られたドニーは、立派な社会人に成長し、一流企業に就職。
しかしドニーは、自分の内から沸き出すボクシングへの情熱が抑えきれず、隠れてメキシコのリングで修業する日々。
そしてついに、ボクシングに打ち込もうと仕事を辞めて向かった先は、父の宿敵であり盟友だった、ロッキー・バルボアの元だった‥‥。

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監督・脚本は、「フルートベール駅で」などのライアン・クーグラー。
ドニー役は、その映画にも出演していたマイケル・B・ジョーダン。
スタローンは出演はもちろん、製作にもクレジットされてます。

いやーもう。
最高に良かったです。
最高の続編です。

2時間ちょっとの作品ですが
その後ろに、過去の「ロッキー」シリーズ6作と
約40年に渡るドラマがはっきりと観てとれました。

僕、そもそもロッキーシリーズの空気が大好きなんです。
1~5と、ファイナルと。
状況は違えど、全ての作品に共通して
現状を打破したい反骨精神や、這い上がりたい野心
アウェイの空気を跳ね返し、ドン底から一気に天井まで突き上げるような気概があって。

最初は、「あ~、あの好きな空気がちゃんと出てるな~」くらいに、気楽に見てたんですが。
ロッキーとドニーが深く関わっていくにつれ、どんどんこっちものめり込んで行きましたよ。

王者の血を引きながらも、愛人の子だと虐げられ続けていたドニー。
一方ロッキーも、地位もと名声を手に入れながら、妻・恩師・親友に先立たれ、息子も家を離れ、孤独に暮らしていて。
ロッキーは、突然現れた盟友の息子に戸惑いながらも、嬉しさを隠せず。
さらに、名を隠し拳一つで自分を築こうとする姿に、かつての自分が重なるのです。

それでまたロッキーがええ顔をするんですよ。
スタローン自身、「ロッキー」でスターダムに成り上がった自分と、重なる部分があるんでしょうね。
新たな章の始まりが。

ドニー役のマイケル・B・ジョーダンが、これまた本当に良いんですよ。
華麗なフットワークと強烈なコンビネーションは、父アポロの姿に
倒されても立ち上がる不屈の闘志は、ロッキーの姿に重なって見えました。
これが泣かずにおれますか。奥さん。

勝敗が分からないのもまた、ロッキーシリーズの魅力。
そもそも第一作も、負けて名を挙げたわけですから。
なので、実際のタイトルマッチを見ているように、最後の最後までハラハラドキドキでした。

子供の頃にテレビで見た「ロッキー」。
大人になり、まさかその息子世代の物語を楽しめるとは。
「ロッキー」を大事にし続けたスタローンに感謝せねば。

公開されたらもう一回観に行こう。絶対に。


☆個人的見どころ
 ・継がれていく闘志
 ・トランクス
 ・過ちじゃない

(12月23日公開予定)