『愛を語れば変態ですか』
住宅街の一角にある、明日オープンのカレー店。
その中では、オーナーである夫と妻のあさこが、幸せそうに開店準備を進めていた。
そこに突然、偉そうな態度のバイト希望者が。
次に、嫁の元浮気相手だという若者が、開店祝いだと訪れ。
さらには、大金を持った血まみれの不動産屋も現れ、とても開店準備などできない様相に‥‥。
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劇団「ピチチ5」を主宰する福田充則さんが監督脚本を努めつとめ、初めてメガホンをとった作品でもあるそうです。
主演は黒川芽以さん。
そのダンナ役に、野間口徹さん。
なんてインパクトのあるタイトル!
でも、タイトルが強烈だと、どうしても本編が薄まりがちなんですが
この映画は、タイトル以上に印象に残る映画でしたよ。
序盤は、奇妙な言葉のやりとりがメインで。
何と言うか、自分は普通だと思ってる頭のおかしい登場キャラたちが、次々と店を訪れ
気の弱い店長を、訳の分からない理屈で言いくるめて行く展開で。
僕はちょっと苦手なんですよ。
舞台のお芝居とかで何度か見たことあるんですが
「いや、こう言い返せばいいのに」
って、当たり前の言葉を全然言ってくれなくて、気弱な方がやり込められてしまうパターン。
観ててイーッってなってしまって。
なので、前半は結構モヤモヤしながら観てたのですが。
後半は一転。
あさこが覚醒(?)してから、展開は予想を大きく越えたものに。
え?何これ。笑(良い意味)
「愛を語れば変態ですか」
力強い言葉でしたね。
監督ご自身の叫びでもあるのだろうか。
僕としては、後半がああいう展開になるなら
他の登場人物がもっと真っ当な方が良かった気も。
とは言え、それぞれの頭おかしいお芝居も素敵だったんですけど。
にしても黒川さん、カッコ良かったっす。
得体の知れぬ迫力がありました。
70分程度という尺も潔く気持ちよく。
荒っぽいなと思うところもありましたが、このままもっと突き抜けて欲しい気も。
福田監督の次回作にも期待しちゃおう。
☆個人的見どころ
・愛を語れば変態ですか!?
・キスの力
・偉そうなキャラがハマり過ぎ今野君
(11月28日公開予定)