ジュリアン・ムーア主演


『アリスのままで』
コロンビア大学で講師をする、50才のアリス。
ある日、講義中に言葉が出なくなったり、ジョギング中に道が分からなくなることが頻発するように。
診断の結果、若年性のアルツハイマーであることが発覚。
家族の介護もむなしく、アリスの症状は日に日に進行。
アリスは、まだ症状が軽いうちに、遠くない未来の自分に、パソコンの動画であるメッセージを残す‥‥。

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実際に若年性アルツハイマーになってしまった、アリスさんの手記が原作だそうです。
監督は自身もALSという難病を抱えるリチャード・グラッツァー。
ちなみにジュリアン・ムーアは、この映画のアリス役で、アカデミー主演女優賞を受賞したんですって。凄い!

とにかくもう、ジュリアン・ムーアのお芝居が素晴らしかったです。
優秀な言語学者でもあるアリス。
そんな自分へのプライドもあり、思うように生活できなくなる自分が許せなくて。

正常な時の自分は、病気に冒された自分が辛くて悲しくて情けなくて。
病気であることを忘れてる自分の時は
穏やかだったり、怒りっぽかったり。
時に子供のようになったり、頑固な老人のようになったりするのです。

実際、僕もそういう方とお話ししたことがあるのですが
話をしていると、数秒前との会話が食い違ったり
別人のようになったりするんですけど
ジュリアン・ムーアが、それを完璧に演じきっていて。

実際、家族の理解とサポートがないと、かなり辛い病気だと思うのですが。
アリスには、優しい夫と子供たちが。

急速に衰えて行くアリスを見る家族は辛いでしょうけど
いろんなものを忘れてる行くアリスは、最後には逆に穏やかに過ごせるのではないだろうか。

抗えない病の映画は、観てて辛いですが
救いと光明が見えたのが幸いでした。
こういう、他人事ではない映画を観ると、いろいろ考えさせられるなあ。


☆個人的見どころ
 ・ジュリアン・ムーアのお芝居
 ・家族の理解と苦悩と
 ・パソコンのメッセージ‥‥