『チャッピー』
2016年、南アフリカのヨハネスブルグでは、テトラバール社の開発した警察ロボットが採用され、話題になっていた。
開発者のディオンは、自ら開発したAI(人工知能)をロボットに搭載しようと提案するが、上司に却下されてしまう。
諦めきれないディオンは、スクラップ寸前のロボにAIを搭載するが、すぐにギャングが強奪。
チャッピーと名付けられたロボットは、ディオンとギャングたちから、すさまじいスピードで知識を吸収していく。
しかし、チャッピーはもともと故障していて、バッテリー残量が5日分しかなく、充電も不可能だった‥‥。
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「第9地区」「エリジウム」のニール・ブロムカンプが監督・脚本です。
人工知能を搭載したロボットの、数奇な運命というか。
まあ、存在じたいが数奇なわけですが。
コミカルな展開から、シリアスに行くのかと思いきや
序盤から終始、重くて辛くて。
知能を持ちだしたチャッピーの怯え方は、小動物や人間の子供のそれと同じで。
そんなチャッピーに、大人たちはあれやこれや自分の常識を押し付けて。
あげくの果てには、嘘までついて犯罪に加担させようという。
なんかもう、観てられなかったっす。
でも、これを観てて辛いのは、自分の中にもあるエゴを認めてしまったからかも。
「チャッピーかわいそう」
とか言いつつも、もし自分のそばにいたならば、知らずに自分の都合の良いように育ててしまうかもしれない。
そういう、スクリーンの中の大人たちの汚い部分を、知らずに自分に重ねてしまったというか。
そして、知能が上がる程に、自分に近づく死(停止)を認識してしまうチャッピー。
その時、チャッピーのとった行動は‥‥。
夢の人工知能ロボットの、楽しい話かと思いきや
人間の汚い部分や、生への執着を見せられるという、結構生々しいストーリーでした。
それだけチャッピーが、さも生きてるようにリアルに描かれてたということですけどね。
しかし、終盤、というかオチがどうにも。
僕は、ラストにつながるあの技術が、どうも強引すぎる気がしてしまって。
なんか、こう‥‥言えないですけど。ネタバレなんで。
まあでも、無難に終わるよりは、この方が鬼才と呼ばれる監督らしいのかな、とも。
なんやかんや言いながらも、見入ってしまう映画でした。
☆個人的見どころ
・クールなタフガイ・チャッピー
・反抗期なチャッピー
・トンデモなラスト